庶民の俺が、最強でいいんですか?
今は、入学式などの、歓迎会が終わり、教室で自己紹介している最中だ。
「ウィル・キースって言います。みんなウィルって呼んでください。一年間よろしくぅ〜」前の奴の気の抜けるような自己紹介が終わり次は俺の番、俺は立ち上がり、黒鷺 マコトです。 よろしくお願いします。と言い座った。
当たり障りのない、挨拶をしたのだが、周りが少々ざわついた。多分、今朝の一件のことだろう。あいつはこのクラスにはいないようだ。昼休みになり、前の席のやつ、ウィルだっただろうか? が話しかけてきた。
「君が噂の黒鷺くんか〜僕君の同居人よろしくね〜」
「よ、よろしく」
「君、凄いよねあの炎帝と決闘するなんて 」
「炎帝?」
だれだその厨二チックな名前のやつは
「炎帝を知らないのか……ほら、君が朝、押し倒したあの子だよ」
あいつか! 俺は心の中で叫んだ。
「何であいつは炎帝って呼ばれてんだ?」
「君そこまで知らずによく、生きてこれたね…」
彼はため息混じりにそう言った。
「あの貴族様の名前はアールセルシア・ヴィリアーヌ 八大貴族の一つ、ヴィリアーヌ家の娘だよ」
やっぱりあいつ貴族だったのか
「その八大貴族ってのは何なんだ?」
「ほんとに何も知らないんだね〜君」
「知らなくて悪かったな……」
「今から図書館に行って、勉強してきたら?」
「いや、その俺読み書きが……」
俺は言葉を濁しながらそう言った。
「きみはどうやって生きてきたんだい?」
彼は完全に呆れていた。
「あともし良かったら、読み書きを教えてくれないか?」
言語ぐらいなら一人で法則性を見つけて覚えることも容易いが、知っている人に頼むのが、安全かつ効率がいいだろう。
「分かったよ。でもそれは、放課後 決闘が終わったあとね。」
「おお、ありがとう!」
「君危機感ないね。 君はこれから、この学園十の指に入る炎帝と決闘するんだよ?」
「あれはあいつが勝手に言い出しただけで、俺は受けるなんて言ってないぞ。まあうける以外の選択肢なんてないんだけどな……」
「そうだね……良くて骨折といったところかな」
「降参は?」
「出来るけど、君は牢屋に入りたいのかい?」
「そうだよなでも死ぬよりマシだ。それでも、牢屋はやだなぁ。俺はどうすればいいんだ……」
俺は諦め気味にそう言った。
俺の異世界冒険譚はここまでなのか……
これもまた運命か……
そう俺は思った。






