庶民の俺が、最強でいいんですか?
俺はそう言い、視線をあげると目の前に、パンツ丸出しの女の子がいた。
瞬間、俺は吹っ飛んだ。
正確にはぶっ飛ばされたらしい。
「ッ!?痛てててて、何すんだよ!」
「ヴィリアーヌ様! 大丈夫ですか?!」
倒れた子の取り巻きであろう女の子は、俺を完全に無視して、そう言った。
彼女は頬を赤らめながら、おもむろに立ち上がった。
「み、見たわね!」
「見たって、パンツのこと?」
俺は無神経な返事をした。
「ッ!?貴方ね!」
その時、彼女の周りの温度が高くなった気がした。
ふと気づくと、周りにはたくさんの野次馬が集まっていた。
「誰か警察を呼んで!」
誰かがそう言った!まずい! ひじょうにまずい! このままだと、異世界にきて、前科持ちになっちまう!なにか打開策はないのか!?そう考えてるうちにも、野次馬は増えるばかり、そういえばさっき取り巻きの子が、ヴィリアーヌ様とか言ってたな。おそらくこの世界でいう貴族だろう。一か八か、かけてみるか! 俺は言葉を選びながら、口を開いた。
「あんたも貴族なら俺みたいなやつに、パンツ見られたとなると家の名に傷がつくだろう? 見たのは悪かったでも、そっちも俺の顔を殴っただろう、なのでこの件は」
「分かったわ」
痛み分けってことにと言おうとしたその時、彼女はそう言った。
「おお、分かってくれたか!」
「決闘よ!」
「え?」
「確かにこちらにも非があります。でも貴方が、故意に見ていないという証拠もない。ここは互いのプライドをかけて戦いましょう! そしてあなたを倒して、牢屋送りにしてあげましょう!」
「え? ちょっと何勝手なこと言ってるんだよ!」
彼女は俺の質問を無視して続けた。
「時間は今日の放課後、場所は中庭にある決闘場よ。」
彼女はそういい、その場を去っていった。
一人呆然と立ち尽くしていた俺の耳に、学校の軽やかなチャイム音が鳴り響いた。
てか、決闘ってなんだ。