森の中・魔女視点
・魔女視点
兎の角を根元から折り取り、皮を剥ぎながら考えるー。
ブラック君は当たりだったのかなー?まー当たりでも外れでもやり直せないんだけどー。何せ秘伝の“世界の狭間にある魂を呼び寄せる巻物”を消費したんだからねー。そういやお祖母ちゃんは何でそんなものくれたんだっけー?まーもう会えないから聞きようがないんだけどー。
でももうちょっとウィットに富んだーっていうか?まじめ過ぎない子を求めてたんだけどー。その点はちょっと不満かなー。いうこと聞かないとかよりは全然いいっていうかー、もしかしたら契約で今のところ絶対服従っぽくなってるのがダメなのかもー?
まぁ一定ライン以上の女の子ならずっと眺めていたいって個性があるだけでもー。わたしの操り人形っぽくならなさそうで良いかなー?
思考をやめて螺旋角兎を狩るブラック君を見てたらー、すごい勢いで剣の扱いがうまくなっててびっくりー。まー素体は完璧だけどー、その性能を引き出せていってるブラック君はその意味では大当たりだねー。
「そろそろほかの武器使ってみるー?斧とかー。弓でもいいよー?槍はちょっと森じゃ扱いづらいかなー?」
って声をかけたら、
「そうですね。剣の扱いも掴めてきたと思いますので、次は斧を貸していただけますか?」
だって。やっぱり普段は堅いなー?
ブラック君から剣を受け取ってリュックから倉庫へ転送ー。でもって倉庫から斧を転送ー。ってしてると不思議そうな目でこちらを見てた。
「どうしたのー?」
「いえ、そのリュックの中はどうなっているのかと不思議に思いまして。」
「あー。言ってなかったよねー。リュックのそこに魔法陣が書いてあってねー、小屋の倉庫とつながってるんだー。出し入れ自由自在!でもわたしの魔力で起動するから、ほかのヒトには使えないんだー残念。」
リュックの説明をしてあげると残念そうに「そうですか・・・。」だって。空間魔法にも興味わいたりしちゃったかしらー?それならあとで教えてあげなきゃだねー。
リュックへの執着を振り払うかのように、兎狩り(武器は変わったけど)を再開したブラック君を見送り、わたしは彼がしとめた獲物の売れる部分をまとめていくのでした。




