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黄金の果実  作者: 丸大
第1章 リンド・アレクサンドロ
7/8

貴族

聞き出した話からなぜタラリスが狙われたのかその理由がわかった。


タラリスは口調からわかると思われるが貴族の娘である。

しかも ウォーレンズ家というカレイド王国では有名な貴族だ。

普通に考えたらそれだけの貴族なのだから人質としての価値は高いので狙われるのは至極当然と言う気がするのだが、実は過去に一度タラリスは誘拐されたことがあるらしい。もちろんお金目当ての盗賊団の仕業でこの地方ではそこそこ有名な盗賊団だったらしい。らしいと言うのはその盗賊団はもうないからだ。ウォーレンズ家はタラリスが誘拐されたとわかった直後に全勢力を使って盗賊団の居場所を突き止め誘拐の連絡が来る前に全員を殺して盗賊団を壊滅させたらしい。


そんなことがあったのでカレイド王国内の闇家業の集団の中でウォーレンズ家の関係には必ず手を出さないと言う暗黙の了解があるらしい。だから、通常はタラリスが誘拐をされそうになるなんてことがあるわけないのだ。しかし今回起きてしまってる以上、何者かが裏で手を引いておりその名前を聞き出したことでコモスさんとマージさんは悩んでいると言うことだった。


雇い主はウォーレンズ家に並ぶカレイド王国の貴族であるストレイン家の長男 ジャンだった。ジャンがなぜそんなことをしたのかと言うとその数日前にタラリスに見事に振られたことが原因だった。ジャンは事前にいろんな道具を買い込んでいるらしく、タラリスを誘拐したあとは奴隷のようにすることが原因らしかった。


ストレイン家が悪い事がわかっているのだからすぐにストレイン家を訴えるべきなのだがさすがにウォーレンズ家に並ぶ貴族だけあって、知らぬ存ぜぬできり通されたら無罪放免どころか、こちらが名誉毀損で訴えられる可能性が高いということだ。


ギルドからが無理ならウォーレンズ家に訴えてもらえばいいと思うのだが、実はウォーレンズ家よりストレイン家の方がカレイド王の信頼を得ているらしく、確たる証拠がないままで訴えても無駄足で終わる恐れがあると言うことだった。


そういうわけでどうしていいかわからずにコモスさんとマージさんが悩んでいるのだ。


「方法としては確たる証拠をつかむしかないんじゃ?このままだとまたいつタラリスがねらわれるかわかんないわけだし」


ラストはそう意見を出すもののそれが簡単でないことはわかっていた。


確たる証拠を見つけるには早い話がストレイン家に忍び込むしか無さそうなのだ。とはいえ貴族の屋敷だけあって警備は厳重で忍び込む隙なんてありはしないと言うことを聞いたことがある。


今日は打つ手がでないので明日また改めてスッキリした頭で対策を考えようと言うことになった。これは仕方ないと思う、王に懇意にされている相手に挑むなんてある意味王に挑むようなものだ。そう思いながら僕はストレイン家へまっすぐに向かうのだった。


「隠密のスキルもやっぱり役立つよなー」


そんなことを僕は呟きながら今日の戦闘を振り返った。


もちろんいくら最強とはいえど、相手に気づかれずに足を凍らせるなんて無理なのだ。それを可能にしたのが〈隠密〉スキルだった。隠密の通常の効果はダンジョンを移動するときに魔物に気配を気づかれにくくする程度の能力だ。しかし僕のパラメーターで隠密を使うと発動する魔法の気配も消すことができるのだ。これによって相手に気づかれずに足を凍結できたのだ。


もちろん、これから行う屋敷への忍び込みに関しても隠密のスキルは役に立つのだ。1人で向かっているのは隠密のスキルは回りの人間には効果を分け与えることができないからだ。つまり、僕1人の方がこれから行うことに関しては効率がいいのだ。


厳重に警備が敷かれている屋敷に僕は隠密と自由走法のスキルを使いあっさりと忍び込むのだった。



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