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黄金の果実  作者: 丸大
第1章 リンド・アレクサンドロ
6/8

圧倒

ある程度町中を案内して次にタラリスにエルフの住まう森を案内しようと歩いていたら急に10人くらいの人間に囲まれた。


「何も言わずにその娘をこっちによこせ」


恐らくリーダーであろう人間がそう声をかけてきたのだ。


タラリスは突然の事に怯えているがラストはなれたもので落ち着いている。


「渡すつもりはないぜ」

「どちらにせよこちらの手に渡るのだから大人しく渡してくれた方が嬉しいのだが、無駄な人殺しはしたくない」

「こっちだって大人数の相手を痛め付ける趣味はないんだがな」

「そんな余裕をかまされた以上はこっちも手段は問わないがいいか?これが最後のチャンスだぞ」


この人数を相手に余裕をかませるラストはかっこいいなー。こういうのがモテる秘訣なのかなんて事を考えている僕だった。


相手のリーダーが諦めて部下に合図を出したと同時にラストはタラリスの手を引いて囲んでいる相手の1人にダメージを与えて森の中へ逃げていった。そのとき僕は駆け落ちする王子と姫みたいだなとか考えていた。


もちろん逃げた二人をみすみす逃すつもりはない謎の集団は森の中を追いかけようとしていた。していたができなかった。なぜなら囲まれているリンド以外の全員が気づかないうちに足を凍らされていたからだ。


謎の集団は何が起きたのか理解できていないようだった。気づかないうちに足が凍らされている経験なんてしたことないからだ。しかも彼らはラストと同じシーフタイプの人間で魔法抵抗力は高いので凍らされることなどまずありえなかった。


「お前が何かしたのか」

「何かというか凍らせただけですけど、二人を追われると困るので」

「お前何者だ、我らの気づかずうちに全員を凍らせるなど普通の人間にできるはずがない」

「失礼な普通の人間ですよ、さてとそれでは質問の時間としますかあなたたちのやといぬ」


質問をしきる前にリーダーであろう人が足の凍結をといてこっちへ向かってきたのだ。と同時に回りの人たちもこっちに向かって一斉に武器を投げて来た。正確には投げる瞬間に全員意識を失うように倒れたのだった。しかし、さすがといったところかリーダーであろう人だけは気を失うことなく話しかけてきたのだ。


「どう…なって…いるのだ?……」


いつ倒れてもおかしくない声で質問してきた。というか、質問しているのはこちらなのでこちらの質問に答えてほしかった。


「全員同時に気を失うくらいに抑えたダメージを与えただけです、そんなことよりあなたの雇い主は誰ですか?」

「そんなことで…片付けられて…しまってたまるか、こちらは全員のレベル40…超えで私は60を越えている…のだぞ、その我らが…気づかないうちにダメージを食らうなんて…あってたまるものか……」

「あなたたちに詳しく説明してあげる義理はないので、こっちの質問に答えてくれませんか?」


リーダーの男は目の前にいるのが本当に人間なのか疑問に思いながら気を失った。


全員気絶したなら今の自分にできることはないという事ですぐにギルドに電話をして場所と状況を説明してラストとタラリスを追いかけるのだった。


ラストとタラリスはすぐに見つかった。目的地であるエルフの住まう森にいたからだ。ラストも最初はエルフの住まう森を案内していたのだがタラリスが僕を心配して話に集中できなかったらしく2人して僕を待っていたらしい。


「あの集団に囲まれてよく無事でしたわね?」

「リンドはこう見えて強いですから、心配する必要はないと説明したとおりでしたでしょう?」

「タラリスさん、心配していただいて有難うございました。しかし、ラストの言うとおり僕については心配などしなくても大丈夫ですので、集団も全員気絶させてきたので大丈夫ですよ。問題なくご案内を続けられます」


そう、とびきりの笑顔で話したのだがタラリスは全員を気絶させたと言うこと更にが気になったらしくそのあとの案内に関しても全然集中できていないようだった。凄くいい笑顔で言ったのに反応がなかったので恥ずかしかった。


そうして、今日の案内は無事に終わった。


タラリスは未だに不思議な顔をしてこちらを見てきていた。あの鋭い眼光で睨まれるよりましなのでこれはこれでいいかと思う僕だった。


「タラリスさん、本日の案内は満足してもらえました?」

「ラストさん、凄く楽しかったです。命の危機も救っていただきましたし、また機会があればお願いしたいです」

「それはよかった。またリンドと一緒にお待ちしておりますのでお気軽にご依頼ください」

「それではラストさん、アレクサンドロさん ごきげんよう」


ラストは名前で呼ばれて僕は名字の時点でちょっと心に傷を負う案内で終わってしまった。というか泣きそうだった。最強はメンタルが弱かった。


僕達二人はギルドに戻った。目的は襲ってきた集団からギルド員が話を聞き出しているだろうからその話を聞くためだ。


「ただいま戻りました、なにか彼らから話は聞き出せましたか?」


そう訪ねながらギルドにはいると、悩んだ顔をしているコモスさんとマージさんがいた。恐らく聞き出した内容が悪い方向へと進むものだったのだろう、と思いながら話を聞いた。



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