翼
さよならって言われても
急に実感も湧かなくて
後から毒みたいに溢れ出す
この気持ちを寂しさと呼ぶのか、愛と呼ぶのか
涙も言いたい言葉も
まだ何にも出てこない
苦しいとは違う息苦しさだけが
此処にはある
状況は飲み込めてる
時代の把握は付いている
でもすがればいいのか、喚けばいいのか
分からない、飲み込めない
悲しいのかと聞かれても
どちらでもない
いい気分ではないけれど
今何を失ったのかまだ感覚がない
手から零れ落ちる砂は
もうとっくに手には残っていなかった
見ないフリしてただけ
本当はもう感じてた
夢を応援してるとか御託を並べて
良いように終わらすけど
もう側にはいないんでしょう
じゃあもうそんなのいらないから
酷く突き放してくれていいから
何も残していかないで
1ミリでも心の中に置いていかないで
全部持って行って
さよなら、翼