小学校時代2
小学校。
それは私にとって、上の学年に上がるごとに地獄と化していく場所だった。
女子には派閥が特にあり、皆一様に徒党を組んでいた。
双子の姉妹がはばをきかせていた。
私はへらへらと従いながら、その双子の一人のグループに入っていたが、次第に我がままな地がでてきて、嫌われるようになっていった。
女子は群れてトイレに行く習性があり、あだ名をつけて呼び合う。
それが心底、阿呆にみえて、参加しなかったのが、ことの発端だったかもしれない。
その頃、いじめの標的にされている子がいて、私はそのA子をかばいだてして、目立ってしまったのが、確信的に標的になる要素だったのだろう。
「友達じゃないからね」と、面と向かって言われたり、体育で使う、ボールが入っているスーパーの袋を破かれたりした。
四年生の頃に預かっていた、当時流行っていたキラキラ光るペンを、六年生になって返してくれと言われても、もう手元には無くて、慌てて同じものを買いに行った苦い思い出もある。
だけど私は、強気だった。
むしろ、シニカルに笑って、
もっとしてこいや!というような子だった。
嗜虐心に似た感情だ。
自分のしたことに、迷いがなかった。
いじめというものが、本当に醜いものだと思っていたから。
私には人一倍正義感があった。
それは今まで読んできた大量の漫画雑誌によって、情操が植え付けられていたからだ。
揺るぎない正義感は、集団の中で悪目立ちをさせる。目立つ、というのは、集団の中では、禁忌に近かった。
少なくとも、おとなしく平和に学校生活を送りたい私にとって、悪目立ちは決していいものではなかった。
しかし、心の清い子は、無視をしてきたりはしなかった。
放課後、誰も居ないときに「ばいばい」と、声をかけてくれたのが嬉しかった。
私は性格が悪かった。
それを自覚するには時間がかかった。
なぜ人が私を嫌うのか。
相手の行動、表情、事象だけをみて、
ケチをつけ、自分自身を振り返ったりは一切しない、頭を使わない子だった。
相手が睨むのは、自分がまず睨んでいるからという初歩的なことに気付いていなかった。