1/20
大量服薬
ある夏の暑い日
私はICU(集中治療室)に居た。
精神薬を大量服薬し、運び込まれたのだ。
慌ただしい空間の中、女性看護士が私の顔を覗く。
「何を飲んだの?」
問いかける看護士に私は「パキシル...」と伝えたかったが、言葉がうまく伝わらない状態だったので、「はひひる」と間抜けな言葉を発した。
案の定、伝わることはなかった。
それよりも、
服がはだけたままの私の尿道におしっこを出すための管が通してあり、
それを確認した若い男性看護士が「尿、出てるね〜」と言ったのがショックだった。
もうお嫁にいけない...
直前に自殺未遂をした者のものとは思えない感情だった。