05
「んっ、んー?何処だここ?」
(確かあの時狼に凍らされて……)
((起きたか?))
「っ!?あの時の?」
((すまないな、君の実力が知りたくてついやり過ぎてしまった…))
桜花の目の前にはあの時の銀狼が佇んでいた。
桜花が今いる場所はどうやら彼の住処のようである…と言ってもただの洞窟で人間にしてみればお世辞にも住みやすいとは言えないが…
「あーそうか…でもなんでだ?なぜ俺の実力が知りたかった?」
((強いものと戦うのが好きでな…我に唯一勝った人間…黒木玄馬の孫と是非戦ってみたかったのだ))
「あ〜なるほど…でも俺はじいさんみたいな化物じゃなくて普通の人間だからな〜」
(ただの戦闘狂かよ!てかじいさん勝ったのかよ!?)
((馬鹿を言え、お前も既に化物じゃ…))
「え?どこが!?」
((無詠唱で上級魔法に馬鹿げた身体強化、素の身体能力もこの世界の人間を大きく逸脱しておるわ!))
「え?えぇぇぇぇ!?まじかよ……って上級魔法?」
((む?知らずに使っておったのか?あの規模と威力の火魔法だと上級魔法じゃぞ?))
「あれはオリジナルだし比べる相手もいなかったからなぁ〜」
((まさか今まで一人で暮らしてたのか?いや玄馬から教えられてはいなかったのか?))
「え?いや、この世界に来てから誰ともあってないし前の世界だと魔法とかなかったからな…」
((そうか、そう言えば貴様も玄馬も異世界人じゃったな…))
「じいさんも元の世界じゃ魔法なんて使わなかったし…と言うか使えなかったのか?」
((なるほどのう…それならば納得じゃ、よし!我がお主に魔法を教えてやろう!))
「え?」
((なんじゃ?嫌なのか?))
「いやいや!嫌じゃない!むしろおねがいします!」
((そうか!それならよかった!わしの名はハク、神獣フェンリルのハクじゃ!))
「あぁ!これから宜しくお願いします!師匠!」
(神獣?フェンリルって確か元の世界でも神話に出てきたな…)
((師匠……師匠!いいな!我は今からお主の師匠じゃ!))
「あぁ!よろしくな!師匠!」
((そう言えば今まで何処におったのじゃ?))
「あぁ、あっちの崖に洞窟を作ってそこに住んでたんだ」
桜花は自分の住処の方を指さしながらハクに告げる…
((よしならば、お主の住処に行こうかのう…))
「わかった、ついて来い!」
そう言い放つと身体強化を使い拠点の方に走り出す
ハクはそんな桜花の後をピッタリと追い付いて来る。
「流石に速いな、」
((ふん、本気を出せばもっと速いぞ?))
一人と一匹は言葉を交わしながら常人が見れば目を見開く程の速度で森を駆けてゆく。
そして30分ほど走るとようやく桜花の拠点にたどり着いた…
「ふぅ…意外と早くついたな…」
((ふむ……なかなかいい住処だな…))
桜花の拠点を見回しながらハクが声を掛ける…
「だろ?意外と頑張ったんだぜ?」
(まぁ、まずは飯にせぬか?お主昨日から何も食ってはいまい?)
ハクの言う通り桜花は昨日氷漬けにされてから何も食べておらずさらに森を全力疾走したため彼の腹は空腹を主張している。
「それもそうだな!つっても食い物とってこないと…」
((うむ…一応は我のせいだし我がとってこよう…))
そう言うと颯爽と森に飛び込んで行った。
「あいつ、ちゃんと人間が食べれるものとってくるよな……?」