04
「出来た!刀!」
新たな拠点に住み始めて2週間、念願の刀のを無事作成することができていた。
「最近、森の奥から魔物が大量に湧いて来るからなー、武器は必須だね!」
(今まで魔法と素手でなんとか出来てたしいらない気もするけど…)
1週間ほど前から森の奥よりなにかから逃げる様にして魔物が押し寄せてくるようになっていた。
桜花は不穏なものを感じて飲料の作成もそこそこに魔法の研究や刀の作成に勤しんでいた。
「よし!刀の試し切りに行ってみるか!」
拠点屋を出て森の中を散策していると『ソナー』に反応があった…
「うげぇ、蜘蛛かよ…しかもでけぇ…」
彼が発見したのは全長5m程の蜘蛛、
紫色をしておりなんとも毒々しい外見である…
「……近づきたくない……魔法で殺るか…」
蜘蛛はまだこちらに気付いておらず桜花は魔法で倒すことにした…
「『絶対零度』!」
氷属性魔法『絶対零度』指定範囲を-273.5度にすることができる魔法である…
『絶対零度』がみるみる蜘蛛を氷漬けにしていく、そして蜘蛛の氷像の完成である。
「あれ?やっぱり刀いらなかったかも?でもせっかく作ったしなぁ〜もっと奥に行ってみようか…」
そして森の奥を目指し進む……
途中出てくる蜘蛛や蛇などを蹴散らし2時間ほど進むと『ソナー』に反応が……
「んー、こいつで試し切りするか♪」
嬉々としてその反応に向かっていく桜花。
「白銀の狼か?」
((人間がこのようなところに何の用だ?))
「喋った!?いや、頭の中に響くような…」
((質問に答えろ…))
「いやー、気付いたら森の中にいましてねー」
((巫山戯ているのか?))
「いやいや!巫山戯てないですよ!」
((……まぁ、良い…貴様の名は?))
「あっ、黒木桜花って言います、」
((黒木……?貴様黒木玄馬の血縁か?))
「え?黒木玄馬は祖父ですけど…」
(え?なんでじいさんのこと知ってんの?ここ異世界じゃねぇの!?いや、じいさんも来てたってことか?それなら化物じみたじいさんのことも納得できる…)
((なるほど…やつの孫か…面白い!我に貴様の力を見せてみろ!))
そういうなりあたりの温度が急激に下がっていく…
「っ!?これは魔法か!?魔物も魔法が使えるのか!?」
((我を魔物と一緒にするな!))
そう言うとあたり一面が凍りつき桜花に向かい氷塊が降り注ぐ、
「ちっ!」
桜花は身体強化をフルに使いあたりの木々を利用し立体的な動きで氷塊をかわす、そして
「そっちがやる気ならこっちもやるぜ!『灼熱地獄』!」
火属性魔法『灼熱地獄』任意の範囲(魔力量依存)を火の海にする魔法…
((ほう?なかなかやるようだな、だがその程度の炎で私の氷が溶けると思わないことだな))
桜花の放った炎は僅かな間燃えるもすぐに消えてしまう…
「なっ!?まじかよくそっ!なら!接近戦で!」
桜花は刀も構え肉迫する、そして刀で袈裟懸けに斬りつけるも…
「バキッ!」
「な!?折れた!?嘘だろ……」
折れていた……ものの見事に刀は折れていた…
しかも銀狼の体毛の一本も切れていない…
((どうした?その程度か?貴様の祖父はこんなものでは無かったぞ?))
「クッ……!」
桜花は一度距離を取り体制を立て直そうとする、
がしかし足が動かない…
慌てて視線を下に向けると凍っていた……足が…いや、それだけではない既に腰の辺りまで凍ってきている。
「なっ!?まじか……」
なおも桜花の身体は凍り続けそして…
(あぁ…ド〇ペ作れなかったなぁ…)
どうしようもないことを考えながら彼の意識は途切れる…
((こいつはなかなか面白いな…やつの孫か…この世界に何をもたらすのか…))