03
蛇を無事に倒し終えた桜花は聞き覚えのある巨大な足音を耳にする……
「ん?こいつはあの時の亀か?」
『ソナー』を使い探知すると桜花が初日に激突した岩…元言い亀さんを捉えることができた。
「こっちには気づいてないみたいだな……あいつが向かってる方はまだ俺が行ったことのない方向だな…つっても行ったことないとこのが多いんだけどね」
桜花はしばらくその場で身を隠し、亀が居なくなるのを確認してから蛇の剥ぎ取り……なんてことはナイフが無ければ出来ないので運びやすいように『鎌鼬』でぶつ切りにして拠点へ何度かに分けて運んだあと蒲焼を約準備に取り掛かる…
当初の予定は角で刀を作るはずだった気がするのは気のせいったら気のせいである
「蒲焼〜♪蒲焼き〜♪」
ここで彼は大切なことを失念していたことに気づく…
「醤油がねぇぇぇぇ!?」
(うそだろ?岩塩だけで蒲焼きだと?いや塩味とか蒲焼じゃねぇ…)
「そうだ!アクエ〇アスつくれんなら醤油も作れんじゃね?」
1時間後…
桜花は必死に醤油を作ろうと頑張っていたのだが…
「くそっ!黒いだけの水じゃねーか!まだまだ諦めん!待ってろ蒲焼!」
さらに1時間後…
桜花はめげずに頑張っているのだが…
「こっ、これは!……コーラじゃん」
何故かコーラが出来上がってしまったようだ。
さらにさらに一時間後
「……コーラ…カロリー0…」
それでも桜花は諦めない。
そして3時間後
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?部屋が!俺の寝床が!コーラだらけに!?やばい!とりあえず洗わないとベトベトになる!『水波』!」
水属性魔法『水波』その名の通り水の波である、
しかしテンパった彼が思いっきり魔力を込めて発動した結果…
「げっ!?魔力込めすぎた!?やべぇ!水がうわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?ちょっとトイレに水がそんなに行ったら……………ってまずい!洞窟のが崩れちまう!?」
そして彼の住処は崩壊した……
「お……俺のmyハウス!」
彼は異世界に来て初めて心が折れた…
両手を地面について涙を流す。
「ちくしょう!」
蒲焼に固執した結果住処を失った彼は馬鹿なことに熱中しないと心に決めた。
「…寝よう」
とりあえず近くの崖に土魔法で穴をあけ補強して寝ることにする。
拠点……元拠点の片付けは明日しよう…そう心に決めて眠りについた。
そして翌日
「ッシ!今日は昨日の蛇の角で刀作るかぁー」
(ウォーターカッター的な何かで形整えて刃のとこはどーすっかなー)
彼は昨日の拠点の惨劇を綺麗さっぱり忘れている。
「ってうわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?しまった昨日拠点が……蒲焼……じゃなくて刀の材料の角がぁぁぁぁぁぁぁ!?」
もう一度拠点を作り直してさらに蛇を狩り角を得ることができたのがそれから1週間後の事であった…
ーside???ー
そこは「死の森」の最奥部
初日に桜花が起こしてしまった巨大な亀がそこに近づいていく餌を求めて…
しかし知らない桜花が起こしたように巨大な亀はもまた起こしてはならないものを起こしてしまうことを……
「GUooooou!!」
((やかましい……私の眠りの邪魔をするな…))
森の最奥部から目覚めたのは巨大な白銀の狼……『神獣フェンリル』
((皇帝陸亀か……邪魔だ…))
『アォォォォ----ン!!!』
フェンリルが吠えた瞬間…凍った……一瞬まるで世界が凍ったかのように思えた程だ……
そして既に皇帝陸亀は息絶えていた…
フェンリルと桜花の邂逅は近い…