本編第4話〜VS野獣〜
やっと完成しました。
では、第4話をどうぞ
地下の4つある扉の内1つが開き“何か”が出て来た。そう、言葉では言い表せない様な“何か”だ。強いて言うなら、
「な、何だ!?あれは!?幾つもの動物の身体の部分を繋ぎ合わせた様な…」
そう、それだ。
大虎が言ったとおり、沢山の動物を針と糸で繋ぎ合わせた様な動物だ。
ライオンの顔と身体に、6本の足は2本ずつの別の動物で尻尾の代わりに3匹の蛇が付いている。
「コイツは融合獣だ…」
「まさか、この為に!?」
「そう…国民達は融合獣の餌だよ。やっとここまで成長してくれた」
「じゃあ、差し詰めその融合獣で世界転覆するってところかな?」
「まぁ、間違ってはいないな」
「そんな事させるか!秘剣・大獣爪!」
大虎が融合獣に斬りかかる。しかし、融合獣は発達した前足で、大獣爪が届く前に大虎を弾き飛ばした。
「がはっ!」
大虎はそのまま吹き飛び、檻に身体を叩き付けられた。
「ぐ…!何てパワーだ」
「大虎さん!大丈夫ですか!?」
サクヤが大虎に駆け寄って行く中、俺は蒼龍を抜刀し、構えた。
「サクヤ」
俺が一言だけ言うとサクヤも無言で頷き、大虎を寝かせ、雷風を抜いた。暫く俺と睨み合いを続けていた融合獣が、突然動いたかと思うと、もの凄い勢いでこちらへ突っ込んで来た。
「なっ!?蒼天波!」
とっさに蒼天波で融合獣の突進を相殺する。そして…
「サクヤ!」
サクヤに向かって一声。するとサクヤは飛び上がり、
「はい!風流刃・鎌鼬!」
融合獣の頭目掛けて風の刃を飛ばした。
「ガ…!」
融合獣は一瞬仰け反りはしたものの、直ぐに体勢を立て直し、距離を取るように後ろへ下がった。遠目に見た融合獣の額には、“浅い”切り傷が出来ていた。
「鎌鼬を喰らって少し“切れた”だけかよ…」
「まぁ、その方が倒し甲斐が有るじゃないですか!」
サクヤは上機嫌だ。初めて見たな…こんなサクヤ…。
「グ…ガ…」
っと、そんな事考えてる場合じゃ無い。融合獣は6本ある足の内2本で…立ち上がった!!?さっきの鎌鼬(一撃)で怒らせてしまったのか?
「ガアアアァァァァ!」
融合獣の鳴き声が地下全体に響き渡り、壁にヒビを入れた。俺は思わず耳を塞ぐ。一方の大虎とサクヤも同じ様に耳を塞いでいる。
「あ〜…うっせ〜な〜、少しは静かにして下さいよぉ〜」
大虎はそう言っているが、俺は実際耳が張り裂けるかと思った。
「黙らせてやる…」
俺は蒼龍を片手で持ち、姿勢を低くした。親父に教わった剣術に自分なりのアレンジを加え、編み出したのがこの構え。これなら、上段、中段、下段全ての攻撃に対応出来る。
融合獣が4本の腕を振りかぶり、俺に殴りかかる。その動きは単調で、単純だった。
「成る程、何も考えないで突っ込んでくるか…まぁ、当然といっちゃ当然だな。素直で宜しい!蒼龍四の方・紫龍閃!」
蒼龍を横に一振りする。刀身から紫色の光が伸びて行き、無数の棘と成り融合獣を貫いた。
「うわぁ〜痛そう」
「痛いなんてもんじゃないだろ…蜂も真っ青だな、ありゃ」
穴だらけになった融合獣を一瞥した俺は王の方に顔を向けた。
「どうする?まだやるか?」
「ぐ…ならば、これでどうだ!」
王は悔しそうな表情を浮かべ、壁のスイッチをまた押した。今度は4つ全ての扉が開き、融合獣が4体現れた。
「さぁ、この融合獣達を同時に相手してみろ!」
常人なら怖くて逃げ出したくなる光景だろう。しかし、大虎はニヤリとし、サクヤは微笑んでいる。って大虎!?
「大虎、いつの間に起き上がってたんだ?さっきサクヤが寝かせてた様な…」
「こんな面白い獣見せられて寝てろっていう方が無理な話だ。それに、吹き飛ばされた借りを返さなきゃ収まらねぇ……」
大虎が笑顔から一変、ギロリと融合獣を睨み付けた。あの時の“全てを破壊し尽くす”気迫を出しながら…。
その気迫に気付いてか、融合獣が少したじろぎ、後退した。
「動くなよ…融合獣。大剣獣・鋼の虎!」
大虎が鋼虎を前方に突き出した。すると、刀身から銀色の毛並みを持つ虎が出現し、融合獣に飛びかかり、喉笛を噛み切った。融合獣の身体が硬直し、地響きを立てながら倒れた。切れた喉からヒューヒューと空気が漏れる音が数回したが、直ぐそれも聞こえなくなった。
「死んだな…」
そう言う大虎の顔は冷たかった。
「2体は俺が殺る…良いな、2人共」
大虎が反論する。
「待てよ!1人で2匹はキツいだろ」
「俺は刀を2本持ってる。それにお前はもう殺っただろ?」
「ぐ…」
「サクヤ、それで良いな?」
「構いませんよ。私は倒したいだけですから、数には拘りません」
3匹の融合獣が迫る。サクヤが1匹を引き付け、俺から離れて行くのを確認すると、俺は真天を抜いた。真天の初舞台…派手に決めてやるか…
「叩き潰す…真天・氷塊雨!」
瞬く間に天井が雨雲に覆われ、その雨雲から氷の塊が雨の様に降り注ぐ。氷塊は思いのほか大きく、一瞬で2匹の融合獣を叩き潰した。そして、俺の近くにいた大虎にも…
「ん?…ちょっ!何で俺のところにも!」
「分からん。頑張って避けてくれ〜」
「呑気で良いなテメーはよぉ!」
ドスンドスンと音を立てながら氷塊が地面にめり込む。大虎は俺に文句を言いながらも必死に氷塊を避けている。−済まんな、大虎−
そんな事を思いながら、大虎が生きている事を願い氷塊を止ませる。
辺りを見渡すと、押し潰されて、質の悪い絨毯の様になった融合獣3匹が横たわっていた。待てよ…3匹?
「サクヤ、融合獣は?」
「其処に…」
と言ってサクヤは潰れている融合獣の1匹を指差した。
俺としたことが、サクヤの分の融合獣も叩き潰してしまったのか…それにしても、よくサクヤは氷塊に当たらなかったな…
「おい!龍!」
大虎がズカズカと此方に歩いてくる。何やら不満そうな顔である。まぁ、その理由は聞かなくても分かるけどな…。
「どうした?」
俺はわざとらしく大虎に尋ねた。
「何が“どうした?”だ!お前は俺を殺す気か!?」
「だから言ったろ?“頑張って避けろ”って」
「それでもし俺が…」
「大虎、文句は後にしてくれ。どうやらラスボスの登場だ」
「融合獣が全てやられるとは…やってくれたなお前達!もう生きては帰れないぞ!」
そう言うと王は拳でフロントガラスを叩き割り、ジャンプで地下まで降りてきた。しかも、王が降りたった地面は粉々に砕けている。
「おいおい、嘘だろ?融合獣なんかより、王の方がよっぽど強ぇんじゃねぇのか?」
大虎が狼狽している中、俺は続けた。
「そんな事より見ろよ、あの床…ジャンプだけで地面をあそこまで粉々にするんなんて、人間の業じゃない。王の“本当の姿”はどんなものか見物だな」
俺の言葉を聞いた王は少し驚いた様な表情を浮かべて言った。
「たったこれだけでそこまで見抜くか…お前の頭はどうなっているのだ?」
「ちょっとばかしキレが良いだけだよ…それより、早く真の姿を見せてくれないか?」
「そんなに早死にしたいのか…良かろう、見せてやる!私の真の姿を!」
王の身体が徐々にその大きさを増し、地下の天井近くまで伸びた。2つだった眼は1つになり、見るからに強靭そうな筋肉で全身が覆われている。
「あ、あれは…1つ目鬼!?」
「知ってるのか?大虎…」
「ああ、確か…3つある上級種族のうちの1つだ。でも、かなり昔に絶滅したって話だが…」
「ソノトオリ…タシカニサイクロプスハ、センソウニツカワレ、ヒャクネンホドマエニゼツメツシタ。ダガ、ワタシハミツケタノダ!ヤマノナカデコオリヅケニナッテイタサイクロプスヲ…ソノサイボウヲ、ジブンノカラダニトリコムコトニセイコウシタ…」
王の、いや1つ目鬼の言葉は少々聞き取りづらかった。1つ目鬼の顎では、話すのが困難なのだろうか?
「そんな事出来るんなら、融合獣なんか使わずに自分で世界転覆すればいいじゃねぇか」
「ワタシヒトリデハムリダ…ソレニ、キサマハナニモワカッテイナイゾ…」
「な、何だと!?」
「ジャマナソンザイハ、スコシデモヘラシテオキタイダロ?」
「邪魔な存在?…まさか!」
「ソウダ…コノコクミンタチハクーデターヲオコスジュンビマデシテイタンダ。ダカラ、ココニトジコメテ、キマイラニクワセルコトデカズヲヘラシテイタノダヨ…」
「…ざけ…な…」
大虎はもう怒りが頂点に達しているのだろう。
「…ナニカイッタカ?」
「ふざけるなって言ってんだよ!この屑野郎!!」
大虎が鋼虎を前方に突き出した。これは…
「鋼の虎!!奴を叩きのめしてやれ!」
鋼虎の刀身から鋼の虎が現れ、1つ目鬼に向かっていく。しかし、1つ目鬼は片腕で虎を受け止め、頭を握り潰した。
「鋼の虎が、こんな簡単にやられるなんて……」
「ドウシタ?モウ、オワリカ?」
「く…!」
「ツマランヤツダナ…デハ、コンドハコチラカライクゾ!」
1つ目鬼は地面を叩き割り、その破片を此方に思い切り投げてきた。
「龍、サクヤ、俺の後ろに!」
俺とサクヤは大虎の後ろに回り込んだ。
「虎!」
大虎が一声叫ぶと、頭の潰れていた鋼の虎が俺達の前に立ち、破片から守ってくれている。
「ホウ、ソノトラニハソンナツカイカタモアルノカ…ナラバ!」
1つ目鬼が走ってくる。
「!2人共、虎から離れろぉ!」
大虎が言ったが、遅かった。1つ目鬼は虎を掴んで後方へ放り投げ、守りの無くなった俺達に正拳付きを放つ。
「ぐぁぁぁぁ!」
1つ目鬼の正拳付きをモロに喰らった俺、大虎、サクヤの3人は豪快に吹っ飛んだ。
「く…そんなのありかよ…」
大虎が呆れたように言うが、その顔には明らかに動揺の色がでている。俺はある事を思いついた。
「2人共、先に外へ脱出してくれないか?」
「はぁ!?なに言ってるんだ龍!」
「融合獣が出て来た扉を破壊すれば外に出られる筈だ。頼む…」
「ふざけるな!仲間残して逃げろだと!?そんな事出来るわけ…」
「分かりました。」
「サクヤ!?お前まで何を!?」
「私は…龍さんを信じます。だから大虎さんも龍さんを信じて下さい」
「俺は嫌だね…誰が何と言おうと…がはっ!」
俺は大虎の鳩尾にパンチを喰らわせた。
「りゅ、龍…てめぇ…」
俺の肩を掴みながら、大虎は何か言おうとしたが、気絶してしまった。
「すまない、大虎…こうするしか無かったんだ。サクヤ、大虎を頼む。」
「はい、龍さん…必ず無事に帰って来て下さいよ」
「当たり前だろ?」
「では、風流刃・鎌鼬!」
サクヤは鎌鼬で扉を破壊し、大虎を担いで外に出ようとしたが、1つ目鬼が追い討ちを掛ける。
「ニガスカ!」
「!(大虎さんが居るから避けきれない!)」
「お前の相手はこっちだぁ!」
サクヤに掴み掛かろうとした1つ目鬼の腕を弾き、間に割って入る。
1つ目鬼が仰け反った隙に、サクヤは大虎を担いで扉の奥に消えていった。
「ナゼ、アノフタリヲニガシタ?サンニンナラ、ワタシニカテタカモシレナイゾ?」
「今から使う技はあの2人には魅せたくない。それに、2人に余計な力を使わせないためにもな…」
「マルデ、ヒトリデワタシヲタオスト、イッテルヨウニキコエルガ?」
「そう言ったつもりだが?」
「ナメラレタモノダ…シンデ、アノヨデコウカイスルガイイ!」
1つ目鬼が腕を振りかぶる。
「隙だらけだ…極龍剣・龍皇破!」
蒼龍の刀身から黒い光が溢れ、1つ目鬼に向かって振り下ろす。
刀身から出ていた黒い光が竜の形を成し、1つ目鬼に襲い掛かった。
「ナ、ナンダソレハ!」
「だから言ったろ?“魅せたくない”って」
黒い竜は1つ目鬼の身体の半分を食いちぎり、昇天する。竜の昇天した後には、砕けた天井と蒼い空が小さく見えていた。
「バ…カナ…」
それだけ言うと1つ目鬼は、いや、王は地面に倒れ、ピクリとも動かない。1つ目鬼から元に戻った王の半体はひんやりと冷たかった。
文章下手すぎる。
文才欲しい……
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それではまたお会いしましょう。




