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本編第1話〜龍の敗北〜

俺達はハンターがまだ<刀>に居るという情報を得、西の町<ラビルソ>へ向かっていた。


<ラビルソ>は豊かな自然に囲まれた町で、迷森(めいしん)と言われる森が<ラビルソ>を取り囲んでいる。

一度この森に入ったら二度と出てこれないと、噂までたったほどだ。

勿論、俺は信じない。


噂の森までやって来た。樹木が鬱蒼と生い茂っている。


「手分けして探すか?」


大虎の提案を、俺は否定した。


「いや、バラバラのところを狙われたらマズイ…固まって動くのが良いだろ?」


「そうですね、相手の力が解らない以上は。それに、帰って来れないかもしれませんし」


サクヤが味方に就いてくれた。大虎は皮肉っぽく笑っている。


「なんだ?サクヤ…あんな迷信を信じてるのか?」


「え…ええ…まぁ一応」


「分かったよ。じゃ、入るぞ…龍、サクヤ、準備は良いか?」


「ああ」


「いつでもどうぞ」


俺達は迷森の中へ入った。

流石に町の中に身を隠したりはしないだろうという俺の読みは正解。


森に入って5分くらいの所に、倉庫があった。


こんなに町に近い所に建ててあるところを見ると、アイツ等は少なからずも迷信を信じているのだろう。


何故、それがハンターのアジトだと分かったのかって?


倉庫の看板に「ソードハンター」と書いてあったらだ。


「…バカなのか?」


「バカなんだろ?」


「バカですね…」


3人の意見が一致したところで声をかけてみる。


「誰か居ませんかー?」


倉庫の扉が開き、中から3人のハンターが出て来た。男なのか女なのか、フードを被っているせいで解らない。


「誰だよ?こんなところに用は無い筈だろ!?」


それを聞いた大虎が口を開いた。


「いやいや、アンタ等に用があるんでね…ソードハンターさん」


ハンターもハンターだ…用が無いって解ってんなら、最初から出て来るなっつんだ。


そんな事を思いながら、大虎の言ったことを聞いていた。


「俺達に用?…あ、お前等の腰の(もの)!俺達によこせ!」


蒼龍と鋼虎を見たハンター共が、眼の色を変えて飛びかかって来た。


「あ〜、やっぱりそうなっちゃいます?…龍!」


大虎は俺の名を呼び、鋼虎を抜刀した。


「ああ…やるか…サクヤはさがってろ。」


蒼龍を抜刀する。


「そ、その刀、まさか蒼龍ですか!?」


サクヤが驚いている。


「そうだけど、知ってるのか?」


「知らない方がおかしいと言われますよ」


知らなかった…蒼龍ってそんなに凄い刀だったのか…


「へぇ〜、そうだったのか…まぁいい…さっさと片付けますか」


大虎の横に並び、蒼龍を構える。

ハンターは3人同時攻撃を仕掛けてきた。


蒼龍と鋼虎を交差(クロス)させるように重ね、3本の刀を受け止める。

そして、あの技を繰り出す。


「秘剣・大獣爪!」


「必殺剣・蒼天波!」


地響きと共に、3人を吹き飛ばした。気絶しているため、無駄な血を流さずに済んだ。


「す、凄い…!」


サクヤは地面に座り込んでいる。腰を抜かしたのだろうか…。


「こんなナマクラで俺に勝てるわけねぇだろ!」


大虎は、ハンターの持っていた刀を放り投げながら言い放った。


「ここはハズレの様だな…。龍、サクヤ、別の場所を探そうぜ」


そう言うと、大虎は歩き出した。と、その時、木の陰から2人のハンターが現れた。


「あらま、向こうから出て来てくれたぜ…龍!コイツ等気絶しねぇ程度にとっちめて、別のアジトの場所、聞き出そうぜ」


「お!ナイスアイデア!」


俺と大虎は1分もせずに、その2人を斬り伏せた。

そして、アジトの場所を聞き出そうと歩み寄るが、それを阻止するように次々と別のハンターが現れる。


「チィ!コイツ等何人いるんだよ!」


20人程を斬ったところで、ハンターは出て来なくなった。


「2人共、大丈夫ですか?」


サクヤが心配そうに駆け寄って来た。


「だ…大丈夫だ…ハァ…ハァ…もう片付いたのか?」


「油断はするなよ…また出てくるかもしれないぜ」

そう言った矢先、ソードハンターが現れた。今度は1人だが、他のハンターとは明らかに違うオーラを放っている。


「お前達か…俺の部下を斬ってくれたのは…」


「…!?大虎!コイツ、強いぞ…サクヤも戦ってくれ。2人じゃキツくなりそうだ」


「分かりました」


サクヤも俺達の横に並んだ。


「青二才共が…俺に勝てると思っているのか?ソードハンターの幹部、このゴルディール・ロルカノフに」


ゴルディールが手を挙げ、さらに2人のハンターを呼び寄せた。


()れ!」


ゴルディールの声と共に、2人のハンターは大虎とサクヤに斬りかかった。


「雑魚共は俺とサクヤに任せろ!」


「龍さんはゴルディールを何とかして下さい!」


そう言って大虎とサクヤはハンターに向かって行った。俺も蒼龍を構え、戦闘態勢をとる。


「さっさと決めさせては貰う!必殺剣・蒼天波!」


蒼く輝く蒼龍を思い切り、ゴルディールに振り下ろした。


「そんな攻撃では、俺は倒せんよ」


ゴルディールは刀を抜きつつ、受ける構えをとった。


蒼龍がゴルディールの刀に触れた瞬間、蒼天波が消えて無くなった。


「な、何!?蒼天波が…消えた!?」


俺が驚いていると、ゴルディールの刀が蒼龍を弾いた。そして、刀身を黒い光が包み、振り下ろされた。


暗黒斬(あんこくざん)!」


なす術も無く斬られ、地面にうつ伏せに倒れ込んだ。


「が…!ハァ…ア…」


息をするのもキツい。


「お前は俺にはまだ勝てぬ…また日を改め、挑んでくるがいい」


ゴルディールは森の中へ消え、俺は立ち上がる力も無く、無様に倒れていた。

完全に俺の負けだった。

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