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ダンジョン学園サブカル同好会の日常  作者: くずもち


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第27話どうやら僕はうぬぼれていたようだ


「……疲れた」


 僕はレベル上げを切り上げて、二人のところに戻る。


 何だか肉体以上に精神的に疲れたが、スキルもレベルもかなり上がった手ごたえがあった。


 これなら浦島先輩と桃山君と一緒に行動しても、彼らを助けられるかもしれないとそう思う。


 でもそういえば二人はどんな風にモンスターを倒しているんだろうと僕はふと気になった。


 そう言えば僕はダンジョンでの二人の実力をまるで知らない。


 僕の時はコツコツと一匹一匹相手していたが、僕は効率重視で武器まで変えてしまったのだから二人はもっと苦労しているかもしれない可能性もあった。


「あれ、地味にきついからなぁ……。このハンマー貸した方がよかったかな?」


 そんなことを考えながら移動していると、二人の狩場である行き止まりの部屋にたどり着いた。


「……ちょっとこっそり見てみようかな?」


 足音を消し、部屋の中を覗き込む。


 しかしそこで僕はとんでもないものを見た。


「じゃあ次行くよー!」


「どんとくるでござる!」


 なにやら、錬金窯にバケツに溜めた何かを放り込む浦島先輩。


 そしてボボンと煙を上げて飛び出してきたのは大量のネズミモンスターだった。


 すさまじい数飛び出したネズミ達は一斉に桃山君へ襲い掛かる。


 桃山君は身じろぎもせずネズミの群れを見据え、呼吸を整えたかと思うと。


「――――スゥ」


 目にも止まらない速度で剣を抜いたと思ったら、無数の斬撃でネズミ達は一匹残らず両断されていた。


「お見事! いやー刀はやっぱり見ごたえがあるわー」


「照れるでござるよ。でも実際武器が変わってから技の冴えが全然違うでござる」


 桃山君スゲー! どうやら僕はずいぶん身の程知らずだったようだ。


 なんか心配していたのがちょっと恥ずかしい。


 レベルが上がって浮かれていたが、考えてみれば浦島先輩だって、桃山君だって僕より高レベルのダンジョン探索者だった。


「……なんか、あんまり肩ひじ張りすぎないでいいかな?」


『素晴らしい。君と違って彼らは才能に溢れているね』


「おい」


 攻略君今のは洒落にならないからね?


 言いたいことはあるがそれは瞬時に忘れることにして、必要以上に爽やかに僕は二人に声をかけた。


「お疲れー。どうでしたー」


「おー。お疲れでござる」


「お疲れーって言っても、全然らくらくぅ」


 まず桃山君の感想はこうである。


「結構効率化出来て来たと思うでござるよ。ちょっと待ってね、すぐ数を記録するでござる」


「だろうね。僕の時と違い過ぎてビックリしたよ」


 余りの違いについ桃山君を賞賛すると、浦島先輩には笑われてしまった。


「ははは! まぁ条件が違うから、一概には言えないでしょ」


「ハハハ……そうだといいんですけどねー」


 この分じゃ浦島先輩も相当スタイリッシュなモンスター討伐をやっているに違いない。


 まぁ、とにもかくにも思っていたよりずっと順調の様でよかったことはよかった。


 こうして僕らサブカル同好会は絶賛活動中だが、唯一の不満はせっかく衣裳を作ったのに今のところ動きやすい体操着で頑張らなきゃいけないのは、残念で仕方なかった。


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― 新着の感想 ―
ま、先駆者が苦労するのは仕方ない。 だからこそ一番槍は名誉なわけだし。
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