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ダンジョン学園サブカル同好会の日常  作者: くずもち


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第240話あの鳥の名は

 炎の樹海は階層を浸食する。


 黄金の火の山はある種神々しくはあったが、その効果は地獄の様である。


「えー。これが生命の炎です。あのモンスターは敵の生命力を吸い尽くして灰にすることも、逆に力を与えることもできる、不思議炎を操ります」


 僕の頭の炎と違ってちゃんと効果がある。


 あの炎がひとたび燃え上がれば生かすも殺すもあの鳥しだい。フィールドに展開すれば強力な永続魔法というわけだ。


 僕の解説を聞いて、桃山君はマスクをシュコーと低く長く鳴らした。


「……つまり、攻略するにはこの炎の森をどうにかしながら、あの鳥を倒さなきゃいけないと」


「そうとも。普通ならめちゃくちゃ大変だろうけど……手段がないわけじゃない」


 空を飛ぶことも含めて手段は考えられるけれど、初めて射撃武器を使うなら足場は安定していた方がいい。


「だからこいつの出番ってわけだ……!」


 お疲れではあると思うが、よろしく頼む。


 僕は一つ上の階層からそいつを宣言通りに呼び出した。


 魔力の光が迸り、空間が激しくゆがむ。


「GOOOOOOOOOO!」


 テイムしたモンスター史上、最大サイズのゴーレムは出現と同時に大地を揺らし着地する。


 そしてうねり、蔦と共に絡みつく炎をものともせずに岩山壁面にしがみ付くと、その身そのもので道を開いた。


「よし! 足場が広がった! 桃山君GO!」


「うぉ! ……マジでござるか!」


 悲鳴混じりに叫びつつも、弾丸のように駆け出す桃山君。


 瞬時に魔法使い二人は、飛び回る鳥に向かって雷と石礫を射出する。


「めちゃくちゃ綺麗な鳥ですね? なんですかあれ? フェニックス?」


「見た目はなんか修学旅行の黄金の寺で見たことあるっぽい。あー……ゴールデンテンプルの鳳凰って奴?」


「ワオ! ゴージャスです!」


 会話はお気楽なものだが、攻め自体は荒っぽいことこの上なかった。


 小規模ながらばらまかれた弾幕である。


 大したダメージにならなくても、飛行していれば命中するだけで十分に効果はある。


 墜落させれば儲けものだが、おそらくレイナさんと浦島先輩の狙いはそうじゃない。


 ゴーレムの頭上、桃山君が駆けあがるそのポイントに誘導された金色の鳥がジャストの位置に来た瞬間、僕は叫んだ。


「先生! 行きます!」


 返事は、待たない。


 転移ポイントは空飛ぶモンスター、その頭上だった。


「……まさに頭上が死角ってわけだ!」


「キエエエ!」


 鳥は咄嗟に身をひるがえして、炎で撃退しようとしていたがあまりにも遅い。


 龍宮院先生の姿が鳥の真上に現れた瞬間、最大に力が乗った拳はその脳天を打ち抜いた。


 衝撃で空気が歪むほどの一撃だ。


 魔力も乗っているのか、火花も派手に散ってまるで花火の様である。


「―――ナイスタイミングでござる」


 そしてズドンと重い音と共に岩山に真っすぐ墜落した鳥は身を起こす暇すらない。


 絶妙なタイミングで、銃を構えた鬼は飛び掛かった。


「クエェェェ!!!」


 余裕のない鳴き声と共に最後の悪あがきが飛んで来る。


 しかし桃山君に殺到した燃える植物の蔦はことごとくバラバラに切り刻まれて、刀の刃は鳥の翼を刹那に切り落として動きを封じた。


 本来であれば、この鳥型モンスターにとって翼を切り落とされるくらい致命傷でもなんでもない。


 その再生力は無限に等しく、黄金の炎の中から何度でも蘇る。


 しかし炎が生まれ出る暇すらなく、鳥の頭にガリッと押し付けられたのは銃口。


 そこから吐き出される銃弾は、不死特攻といっていい魂を喰らう一撃である。


「鳳凰……いや、キジゲットでござるな」


 ガンと一発放った弾丸は鳳凰に吸い込まれ、銃そのものに丸ごと封印した。

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― 新着の感想 ―
この能力だと再生弾とか蘇生弾がありそう
やはりキジ枠はフェニックスでしたね。
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