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ダンジョン学園サブカル同好会の日常  作者: くずもち


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第224話休憩中の一幕

「ふぅ……」


 ある日、僕は一仕事終えて心地の良い疲労感を感じながらカフェスペースに戻ってくると、優雅に執事に給仕をさせつつ紅茶を飲む浦島先輩と龍宮院先生に遭遇した。


 龍宮院先生は何か書類仕事をしているようで、浦島先輩はお疲れらしく染みるわーという顔でマッタリしていたが、どちらもカフェを堪能しているようだった。


 まぁこの構図は見慣れたものである。


「……」


 しかしドンとカフェの一スペースに飾ってある黄金の鎧はものすごく見覚えがあって、ついそっちに視線がいってしまった。


「……めっちゃ綺麗にディスプレイしてありますけど……いいんですか?」


「……」


 するとピクリと僕の言葉に反応して龍宮院先生は顔を上げる。


 そして、なんとも言えない悟ったような顔をしてコクリと一回頷いた。


「先生気に入ってたじゃないですか。どうしたんです?」


 手渡した当初ははしゃいでいた印象だったはずだ。


 作るのに手を貸した僕としては気になって突っ込んで聞いてみると、ハハハと龍宮院先生は乾いた笑いを張り付けながら、それがさ……と切り出した。


「そもそも私は……コスプレの趣味はなかったことを思い出したというか……」


「わぁ……今更」


「そ、それはそうなんだけどね? いや……君達を傍目に見ていてね? 面白そうだなって思ったのは本当なんだよ? だけど、部屋でこの鎧を着た自分を鏡で見て気が付いてしまったんだよ―――」


 部屋で着てみたんだ。


 そうは思ったがあえて口には出さない。


 ギミックは面白かったはずだ。


 それにやや実用には欠けるかもしれないが、それでも実戦レベルで使える完成度ではあったと思う。


 だが一人鎧を着た龍宮院先生は、何か致命的なことに気が付いてしまったのだろう。


 龍宮院先生ほどの探索者ならそれもあり得る話で、きっと僕らにはわからない致命的な欠陥があったに違いない。


 一体何に気が付いたんだろうと僕は大いに好奇心を刺激されて、息を呑む。


 そして苦々しい顔のままギリッと奥歯を噛みしめた先生は、血を吐くように言った。


「私の〇虎はこうじゃないっ……! ってね……。いやー……私がコスプレにはまり切れないのは……まぁそう言う事だったなぁっていう」


「……」


 アッそっちの方向か。


 その結果、綺麗に飾っておこうというわけか。


 黄金の鎧の使い方としては実に順当ではあった。


 一方黙って聞いていた浦島先輩は優雅に紅茶を飲み干し、傍らで眠っていた黒豹のワカンダ君を撫でながら、静かに頷く。


 そして一言呟いた。


「それもまた―――愛」


「そうなんだよね……そうなんだよ」


「いいんですか? その結論で?」


 何事もなかったかのように、二人は紅茶のお代わりを飲み始めた。


 給仕はずいぶん様になるようになったものだ。


 しばらく、静かに聞ける程度に音量を調整された音楽だけが、店内に響いていた。


 僕はなんとなく黄金の鎧がよく見える適当な席に座って、紅茶を頼んでみる。


 速やかに運ばれてきた紅茶は明らかに昔よりも香りが立っていて、給仕たちの腕が上がっていることを感じ取ることができた。


 僕は鎧を視界に入れながら、紅茶を一口口に含む。


 ああうん、存外悪くないなこれ。


「いや、言いたいことは分かりますけどね?……金色の鎧カッコイイし」


 ただ観賞用にのみに用途を絞るのは流石にもったいないと思っちゃうだけで。


 まぁ、絞るなら絞るでこうなってくるとたくさん並べたいなって思うけど……それはさすがに贅沢が過ぎてる感じである。


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