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ダンジョン学園サブカル同好会の日常  作者: くずもち


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第212話試しに実力を見てみよう

「え? 天使をテイムしに行くって? あの可愛いちびっ子天使を? 沢山? 行く行く」


「ありがとうございますー……」


 軽く説明したら、龍宮院先生が釣れた。


 たまたまカフェにいたので誘ってみたわけだが、予想外にものすごくノリノリである。


 この人は最初教師という職業がかっこよさを倍増するバフだったというのに、たまに恐ろしく心配になるデバフに感じてしまうのは僕の気のせいだろうか?


 ……たぶん気のせいだねという結論を出して、僕は準備を整えることにした。


 ただ、このまま真っすぐ天使をテイムしに行くだけというのも芸がない。


 せっかくだから今回は手持ちのモンスターを連れて行くことにしたのだが、龍宮院先生にいったん止められた。


「それなら、少し実力を試してみたら?」


「実力ですか? それはヴァルキリーの?」


「そうだね。加入したばかりで正直よくわかんないだろう?」


 言われてみると、こっちのダンジョンではまだまともに戦わせてはいなかったか。


 前のダンジョンでは中々強いのではないかという評価だったが、こちらのダンジョンでも同じ結果になるかは僕としても未知数だった。


「そうですね。天使もいますから、ちょっと模擬戦してみましょうか?」


「いいね! ヴァルキリーが戦うところを見て見たかったんだよ」


 それは確かにそそられるものがある。


 モンスター同士のバトルなんかも意図してやってみてはいなかったし、面白そうだとそう思ったのだが……実際向かい合って立つヴァルキリーと天使を見た僕は絵面のヤバさに戦慄を覚えた。


「……しかしこれは、やっていいもんなんですかね?」


「……圧倒的にヴァルキリーが強そうだ」


 まさに向かい合うと大人と子供である。


 そしてそもそも、武装が金属鎧と布の服ではちょっと天使君の防御力が低すぎる気がした。


 しかし実際やってみると―――。






「……勝ったでち!」


 拳を高く突き上げる天使君はどんなもんだいとその目が訴えていた。


「「え!」」と驚いてみたものの答えは単純である。


「あ! レベル!」


「あぁそっか。ヴァルキリーの階層か……」


 考えてみれば圧倒的に浅い階層でテイムしたヴァルキリーが弱いのは当たり前だった。


 レベルの概念がモンスターにもしっかりあって、それは見た目を軽く凌駕する実力のバロメーターになるという事なのだろう。


 しかしあまりに一瞬で負けてしまったヴァルキリーは地面に倒れたまま動かず、僕はムムムと眉間に皺を寄せていた。


「しかしこの弱さは……ちょっとまずいですね。いや、試しておいてよかった」


 どう思います? と龍宮院先生にも意見を求めたら、先生も難しい表情御浮かべていた。


「そうだね……明らかに戦闘要員だものね」


「……ですよね? 労働力としてならワンチャン?」


「どうかなぁ。……ここにいるテイムモンスターは結構深い階層の奴も多いだろう? あえて任せるかというと……君の担当は天使の階層って言っていたよね? あの天使より弱いモンスターっているの?」


「……ちょっと厳しいですかね。かといって1階で運用っていうのも……」


「ああダメダメ! 絶対やらせちゃだめだからね! ヴァルキリーは浅い層じゃ目立ちすぎて……ん?」


「どうしました?」


 言葉を突然止めた龍宮院先生の視線は倒れたままのヴァルキリーに向けられている。


 相変わらずピクリとも動かないが、それはそれで妙な話ではあった。


「ねぇ? ヴァルキリーちゃんは死んじゃったのかな?」


「いや、そこまで無理はしてないはずですが?」


「じゃあ……何で動かないんだろう?」


「……そうですね」


 僕らはそっとヴァルキリーの顔を覗き込んで、しばし観察していると―――


 ……ぐすん


「! ご、ごめんね! 悪気はなかったんだ!」


「そ、そうだよ! レベルなんてすぐ上がるよ! ね!?」


「も、もちろんですよ! 何ならボーナス振るのも試してみたいかなー!?」


「頑張るでち! 雑魚には雑魚の役割があるでち!」


「ちょっと黙ってようね!」


 マズイ。表面に出せないだけで、感情が全くないわけではなかったらしい。


 ヴァルキリーが再び立ち上がるまでにもうちょっと時間がかかりそうだった。

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― 新着の感想 ―
天使が悪魔だった件。
泣いちゃった!なぐさめてやくめでしょ そして天使の追い打ち口撃草
ペット虐待、駄目絶対!
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