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ダンジョン学園サブカル同好会の日常  作者: くずもち


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第202話快挙?

「よし! やった!」


「す、すごいな……終わったの……か?」


 僕は思わず拳を握り締めて、ハバキリ君と一緒に桃山君にかけ寄った。


 だが側に行くと桃山君もかなりダメージを受けていて、僕はすぐに治療に取り掛かる。


 口に回復薬を突っ込んで、魔法でデバフの呪いの治療を始めるとすぐに桃山君の体は熱を取り戻し始めた。


「ぐわー……際どかったでござるなぁ! 死んだかと思ったでござるよ!」


 はーっと特大のため息を吐いた桃山君だが、今の彼にこうまで言わせるとはあのフェンリルは本気で強かったようだ。


「こいつ50階の守護者にしては強すぎじゃあないでござるか!?」


「めちゃくちゃ強かったね。まだあんまり動かない方がいい。ところどころ凍ってるよ」


「確かに、痛痒いでござる。……まさかここまでダメージを受けるとは、不覚でござるなぁ……。しかし苦労のかいあってしっかり二本目も完成でござるよ」


 桃山君が嬉しそうに掲げた刀には、フェンリルを初見で見た時同様の迫力と氷のような美しい青い輝きが宿っていた。


 これで桃山君本来のスタイルである二刀流を存分に振るうことができるだろう。


 処置を一通り終えて、僕は立ち上がるとさてと身構えた。


「そしてここから何が起こるのかなぁ……」


「何か起こるんでござるか?」


 一件落着したと思っている桃山君だが、ある意味何が起こるのか本当の意味で分からないのはここからだ。


 僕は頷く。


「ああ、うん。僕らは攻略したんだよ。このダンジョンを」


 いろいろ理屈を説明することも考えたが……時間がないからさらっと伝えてみた。


「へー……攻略したんでござるか」


「……攻略ねぇ、ダンジョンを……」


 ただその言葉をとりあえず受け取った桃山君とハバキリ君だったけど、だんだんとその意味する所を理解して、二人は突然声を上げた。


「「んん!?」」


 ……そうか、気がついてしまったか。


 おめでとう、人類初の快挙だよ? 


 特に桃山君はその先駆けとなったわけだ。


「攻略したってどういう意味でござるかぁ!?」


「そんなバカな!? 攻略って……すべての階層を踏破したってことなのか!?」


「いやー……そうかも?」


「「かもってなんだよ!?」」


 そんな息ピッタリで声を揃えちゃって。


 ワタヌキさんは二人が仲良くなってくれてとても嬉しいよ。


 しばらく後、フロアごとグニャリと視界が歪む。


 そしていつの間にか立っていたのは空が見える木の枝が鬱蒼と茂った空間で、その中心には宝箱が置いてあった。


「「「……」」」


 いかにもである。


 実際に宝箱を目の当たりにした僕らはゴクリと喉を鳴らしてそれを見た。


「これドロップでござるよ……ね? 報酬?」


「だ、ダンジョン攻略……報酬? そんなものが存在するのか?」


「……とりあえず開けてみようか?」


 僕は宝箱の前にしゃがみ込むと、パカリと蓋を開け放った。


「そんな簡単に!」


「もう少し慎重に!」


「まぁ……あんまりもったいぶっても仕方がないかなって」


 ゲームとかでもトロフィーとかはあんまり興味ない派なんだ。


 さて何が出てくるのか?


 鍵はかかっていなかった。


 僕は思いの外簡単に開いた宝箱の中身を覗き込んで、思わずハァとため息を吐いた。


「……なるほどねぇ」


 道理で攻略君が攻略を一押しするわけだ。


 宝箱の中身は実に珍しい、ハンマー型のダンジョンアイテムだったからである。


 妙に納得した僕はそれを手に取ると驚くほどに手に馴染む。


 ただ……バリバリと異次元に強力な雷の魔力を放つハンマーを見て僕は思った。


「……雷はレイナさんと被るな」


「その感想でいいんでござるか!?」


「たぶん国宝級の代物だぞ!?」


「いやーそんなこと言われても……帰ったら怒られそうじゃない?」


 世の中の理屈も大切だが、目の前の脅威の方がよっぽど恐ろしい。


 そう言う意味ではこんな面白いイベントを勝手に攻略してしまった時点で、雷は落ちそうだけれども。


 「とにもかくにも―――これでミッションはコンプリート。お疲れさまでした」


 まずは功労者である仲間を労う。


 そして宝箱から報酬を受け取った僕らは、しばらくすると空間の揺らぎを強く感じて、気がついたら見覚えのある1階で三人そろって立っていた。

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― 新着の感想 ―
ハンマーならやはり雷よ。 むしろ円盤に乗ってエレキギター弾きながら雷ぶっ放す魔法職の方が意味わからんw
ゴルディオンハンマーがいいなぁ
トールハンマー的な? ガッツリ戦力強化してしかも初の踏破 の割には感動が薄い…
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