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ダンジョン学園サブカル同好会の日常  作者: くずもち


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第197話空間魔法式収納法

「……」


「……ねぇワタヌキ氏? これ、このまま行くんでござるか?」


「……なんというか、圧が」


 だよねぇ。


 僕ら三人は当然この先に進むわけだが、ただそうすると必然大所帯にはなる。


 戦乙女の軍勢は頼もしい限りだが、機動力が売りの少人数編成の強みを殺すのはいただけない。


 いくら攻略君を駆使しても人数が多ければそれだけ時間がとられてしまうわけで、それは避けたいところだった。


 さてどうしたものかね攻略君? そう聞いてみると攻略君はあっさり言った。


『収納していけばいいだろう? レベル100越えの空間魔法を君はまだ使いこなしちゃいないよ』


 全部で30体はいるけど?


『総勢32体だね。ついでにあの白い屋敷ごと切り取っていこう。彼女達も住みやすい』


 ……それありのやつ?


『切り取ったところで、次のダンジョンが変動するタイミングで修復されるさ。もしくは守護者の場合は新たな挑戦者が現れれば屋敷ごと元通りだとも。さぁ、やり方を教えるからさっさとやろう。時間が惜しい』


 なるほど? ……考えるな。感じろ!


 常識をまた一つ更新した方が、都合がいいに違いない。


 僕はまずは空間を視認、座標を合わせて魔力で囲い込み、収納!


 キンと甲高い音と共に地面ごと屋敷が丸ごと切り取られて浮かび上がる。


 それを手元に引き寄せて縮小。キューブ上に安定させた上でヴァルキリー達に触れさせる。


 とたんヴァルキリー達は次々に消えて、キューブの中に収納された。


 生きたままいけるってことぉ、本気で言ってる?


 となると完全にアイテムボックスよりも上位の魔法かもしれない。


 時間の経過はあるかもしれないが、モンスターまで生きたまま移動できるというのなら、悪いこともできそうな魔法だった。


「おお……なるほど。結構感覚的にいける。この後も使えそうだ」


 予定が詰まっていることもあってつい試してしまったら、友人達を驚かせてしまったみたいだった。


「な、何をしているんだ?」


 目の前の事態に狼狽えているのはハバキリ君だけど、確かにやってることは何か常識から外れた人外の技にしか見えなかったことだろう。


 こういう時、僕はとにかく慌てず「それがなにか?」くらいのテンションでいったん対応することにしていた。


「格納作業? この先に進むのに彼女達は足かせになるから」


「まだ進むのか!」


 ハバキリ君は驚いて叫んだ。


 ああそこかとまずはっとさせられたけど、ヴァルキリー達のテイムは目標というわけでもなく、所詮はオマケでしかなかった。


「ここからが本番だよ。別にヴァルキリーをテイムしに来たわけじゃないんだ。実は、本命は上。ここからは標的を狩りに行くから。桃山君、例の刀は持って来た?」


「……持ってきたでござるが……まさか?」


「そのまさかだ。行くよ二本目の刀の中身を狩りに」


 今回僕の中で一番のメインイベントを披露すると、桃山君の桃太郎仮面がピクリと震えた。


「……レベルはどんなもんでござる?」


「50階層の守護者」


「……それならチェックインに間に合いそうでござるね」


「ちょ、ちょっと待ってくれ! 君達はこれから50階層に挑むって言うのか!?」


「ああ、うん。安心して? ハバキリ君はレベルが上がらないように配慮するから。絶対手を出しちゃだめだよ?」


「何でだ!? いや……そう言う問題じゃないだろう!?」


 階層の深さにハバキリ君は混乱しているようだったけど、誰しも初めての事はある。


 それに先駆者がいれば、それは想像よりも格段に難易度は低くなるはずだった。


 まぁまだ別に誰もこのダンジョンを経験した人間なんていないわけだけど……代わりになる情報は確かにここに存在する。


「まぁ大丈夫だよ。ああそうだ……心配なら一人出そうか」


 お試しで一体ヴァルキリーを中から呼び出すと、金色の他の個体よりも強かった一体が出現した。


 そして攻略君ができると言うので、僕は命じてみた。


「彼の護衛と移動の補助を」


 戸惑いつつ言ってみると、金色ヴァルキリーはコクリと頷く。


 これでダイジョブそう?


 ならばよし。


 これで問題は一旦解決である。


「じゃあ浦島先輩達をあんまり待たせても悪い。ここからはペース上げていくよ?」


「心得た……」


「いや、今までだって相当ペースは速かったよな?」


 ハバキリ君には負担をかけるが、ヴァルキリーのサポートがあれば問題ないさ。


 それに僕らも旅行の日程内に余裕を持って帰って、戦利品の確認をしなければならない。


 僕は気合を入れて、パンと自分の頬を叩く。


「よし。じゃあ……休息はここまでってことで」


 開封の儀をより充実させるために、今は精々戦果をため込もう。


 こっちもお楽しみのご褒美が待っていると思えば、やる気が出てくるというものだった。

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