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ダンジョン学園サブカル同好会の日常  作者: くずもち


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第194話本日の最初のターゲット

 このダンジョンは上に上がっていくスタイルの珍しいダンジョンで見た目上は昇りの階段が現れるのだという。


 しかしかつてヘリを使って巨木の上から攻略しようとする試みもあったそうだがすべて失敗し、頂上に辿り着くことはなかったらしい。


 強固な魔法による結界か、それともそういう構造なのか?


 ともかくこのダンジョンの秘密を解き明かした人間はまだ存在しない。


 中の難易度はかなり高く、最高到達階層が30階。


 しかも未攻略だという危険度の高いダンジョンを僕ら三人は極めてハイペースに駆け上がっていた。


「やっぱ、いつもと雰囲気違うねなんか! 広さは相当そうだけど!」


「やっぱりどこのダンジョンも異界のサンドイッチには変わりないんでござるねぇ」


 空気はどこか違うのを感じるが、おおよそどこかおかしいのはいつもの事。


 木々が生い茂り、背筋がゾクゾクするようなモンスターの気配漂う森の様なフロアが続いている。


 ただ学校のダンジョンよりは、各階層に一貫した自然を表現したテーマを感じるのは面白いところである。


 僕と桃山君はたまに感想を口にする程度の雑談をかわしながら、いいペースで飛ばしていたが、ハバキリ君はそうもいかないようだった。


「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」


 彼のレベルも相当高いし、十分超人である。


 速さを調節すれば行けると思っていたが、ちょっと目算が甘かったようだった。


「ハバキリ君! ダメそうなら休憩入れるし、ペース落とすから言ってね!」


「だ、大丈夫だ! ほんとに平気だ!」


 そうは言うが汗を掻き、大きく息を乱して走るハバキリ君はかなり頑張っている。


 だが本当に無理はほどほどに。


 なにせ攻略君が最初に向かう先として指定したのは、30階層なんだもの。






 ちなみに10階の守護者はでっかい木のモンスターで、20階はでっかい蛇だったよ。


 しかし新たに手に入れたニューウエポン”ゴールデンマサカリアックス”の錆にしてやったがね。


 珍しい守護者の素材をとりあえずゲット。


 当然の様に守護者以外のモンスターは出てこずに、トラップの類もきっちり避け、完璧なライン取りだったが、途中ハバキリ君がとうとう怯んだ。


「……いくらなんでも危険すぎる! 止まってくれ!」


「あ! ダメでござるよ!」


 桃山君が咄嗟に止めるが、ハバキリ君はとんと足を止めて、下がる。


 ただそのタイミングが割と最悪だった。


『まずいトラップを踏んだ』


「―――!」


 咄嗟に僕は反転。


 ハバキリ君の死角から飛んできた矢をギリギリ目の前で掴み取ると、バランスを崩したハバキリ君を支える。


 矢にはタチの悪い毒が塗ってあったが、素早く魔法で浄化した。


「止まったらダメだ。危ない。止まる時は一回口に出して」


「……! わ、わかった……大丈夫、なのか?」


「大丈夫、大丈夫。もうすぐ最初の目的地だから、ちょっとそこで休憩しようか?」


「ああ……」


 今度は大人しく走り出したハバキリ君を気にかけながら到達した階層は白い館の建った不思議な場所だった。


 攻略君は目的地に到着するとさっそく口を開いた。


『さて、まずここが最初の勝負どころだ。気を引き締めてくれ』


 ……じゃあ、あえてここの内容を黙っていた理由となにが出るのか。そろそろ答えてもらおうかな?


 ほんの少しの非難を込めてみると、攻略君は苦笑の気配を見せた。


『いや……嫌がりそうだと思ってね。君はほんの少し女性に対して精神的防壁が高い傾向があるから』


 な、なんてこと言うんだい。最近は女の子と話す機会も増えてるでしょ? まったくそんなことはないと主張したい。


 声を上げそうになってグッと堪える。


 だいたい今何でそんな話をするんだと、そう考える前にはもうすでに館から飛び出す無数の空飛ぶモンスターの群れは、白銀の鎧で守りを固めランスを構えて僕らの前で編隊を組んでいた。


「……ああ、なるほど」


 そして空飛ぶ彼女達を見て僕は納得する。


 そう。武装したモンスターは、とても美しい女性型だったのだ。

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