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ダンジョン学園サブカル同好会の日常  作者: くずもち


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第11話雑魚狩りの真価

「レベルアップが早すぎる……」


 確かに攻略君の言う通り、10回ほど戦闘をこなすと戦えないことはなくなっていた。


 そんな僕のレベルは10。


 一気に遅れを取り戻したどころか、うちのクラスはごぼう抜きである。


 それと言うのもやはりこの階層の守護者がおいしすぎるのが問題だった。


「……うーんおっかないと聞いてたんだけど、あんな……こけたら中々立てないカブト虫みたいな奴だったとは」


『まぁ鉄巨人……というかゴーレムってそもそもそう言うとこあるモンスターだよ。良くも悪くも入門ボスだよね。ようこそダンジョンへって感じ』


「そんなかんじだったか……」


 明確な弱点と呼べるものが存在するのも大発見だと思う。


 そして苦労の成果としてドバっときたパラメーター上昇は様々なジョブの可能性を僕に与えていた。


『おめでとう。パラメーターが上がったことで下級のジョブはだいたい変えられるようになったね。でもまずは僧侶のスキルだけど、大方鉄巨人で覚えたはずだね?』


「覚えてるね……」


『なら生存率を高めた今、次は戦士を上げて、上級職の聖騎士になるのが君のビルドにはいい、何事も死なないことが一番だ』


「……」


 嬉々としてあっさり出てくる情報のジョブ名は聞いたことないが、明らかに強そうな響きだった。


「いやいや、そんなにジョブはポンポン育たないだろ? いや……育ってるんだろうけど、スキルをなんでこんな簡単に覚えてるのさ?」


 そして何よりジョブが成長して異常にスキルの覚えが早いのが気になる。


 レベルが成長してもスキルが中々育たないなんて方がよくある話なのだが、今の僕はそれが真逆に感じるほどの育ちっぷりである。


 だが攻略君はそこがミソだと教えてくれた。


『今がチャンスなんだよ。君は低レベルで周りには格上のモンスターしかいないのに一部のパラメーターで圧倒しているという奇妙な状態だ。理由はわかるだろう?』


「ああ。うん。あの豚カニ祭り?……」


『そう。まさに努力の成果だよね。そしてジョブの習熟度は格上と戦うと飛躍的に伸びる……ここまで言えばわかるね?』


「……僕は今格上のモンスターと同格以上に戦えるわけだ。僕はHPと攻撃力を高めたビルドだから有利な格上と戦えばウハウハと……」


『そうだよ。ああでも、長所以外は標準以下だから、十分にレベルが上がるまでは慎重にね。ここからはこのボーナスタイムにジョブをいかに育てて、スキルを理想の形に固められるかでかなり変わる。成長の仕方に好みもあるから色々試して理想のビルドにしていこう!』


 理想のビルドと言われても、全体のチャートが欲しいところだが……聞けば教えてくれそうなのがこの攻略君だった。


 確実に今扉が開いた気がする。


 なんだろう? こう、ゲーマーの血が騒いでしまう感じだった。


「な……なるほど。ソロを続けるにしても、死ににくいのはいいね。君のお勧めに乗ってみるよ」


『……なんかゴメン』


「だからいいってば……というか! ソロの話するたびにへこむのやめてくれない!? 好きでやってんだからね!?」


 そもそも哀れまれる理由がない。こっそりやるのが楽しいんだろうに。


 まったく、ソロの醍醐味をわかっていない輩はこれだから困ると僕は攻略君にため息をついた。


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