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出会い系

作者: 葉沢敬一

毎週日曜日午後11時にショートショート1、2編投稿中。

Kindle Unlimitedでショートショート集を出版中(葉沢敬一で検索)

 出会い系のサイトに登録した。


 僕もいい歳で人寂しくなってきたからだ。マンションに帰って、暗い部屋の電灯をつけて週末に宅配される冷凍おかずとご飯を電子レンジでチンして食べる。テレビをちょっと観て、スマホでエロ動画観ながらオナニーして寝る。


 そんな生活に飽きてきた。もう十分だ。

 彼女が欲しい。


 3つのサイトに登録したが全くマッチしない。無視される。キツい。

 諦めて退会し、新しいサイトに登録する。


 プロフィールを登録してしばらくたつと、いいねが来た。さっそくいいね返しをしてマッチさせる。無料コースはここまでしかできない。何故か世の中の出会い系サイトは男性有料女性無料ばかりなのだ。


 まず千円課金する。ポイントが千円以上でないと連絡先が送れないから。先に付与されるポイントが500円相当。


 あっという間に5人とメッセージをやりとりするようになって、ポイントが減っていく。残っているうちにこちらから連絡先を送ってそちらでやりとりしたいと伝えるが、皆揃って「アドレス教えるの怖いからこのままつづけたい」と答える。


 千円切った。


 おかしい。このサイトだけいいねが多い。


 残ったお金でやりとりしながら、彼女たちはサクラじゃないかという疑問が浮かんできた。大体、僕のマイナーな趣味に食いついてくるなんて都合が良すぎると感じ始めた。


 これ、今話題のAIチャットじゃね?

 ちょうどそのとき、SNSでAIはこのワード入れるとバグるそうだよというポストが流れてきた。


 念のため、一人にそのワードを入れたメッセージを送ってみる。


 返答は見事、「返答できなくなりました。質問を変えてもう一度お試しください」という回答だった。


 全員に試したら一人以外全部その返答が返ってきた。AIのサクラだ。どうりで会話がスムーズだと思った。


 残りの1人は80代のおばあちゃんだった。

――ごめんさい。ポイントもなくなったし、サクラばかりのサイトだとわかったので退会します。

 最後のポイントを使っておばあちゃんに送信して退会した。

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