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勇者パーティ訓練開始

◇◇◇

 異世界に召喚されて1日が経った。客間のベッドはふかふかだし食事は豪華だし快適だった。

そして今日から俺たちは勇者パーティとしての訓練が始まる。

ありさと違って剣など握ったことのない俺が今木剣を持って近衛隊長のグリッドさんと打ち合っている。

「太一殿!もっと脇を締めて!」

「は、はい!」

ありさはというともうその辺の近衛兵では相手にならないようだ。さすがは剣技スキル持ち。

俺は『聖剣』というものを握らなければ勇者のスキルは使えない。

しかし聖剣は国の宝なので通常の訓練ごときでは使用できないらしい。

「水よ来たれ、その力をもって清めたまえ、ウォーターボール!」

少し離れたところではケイが魔法を放っていた。

実際に魔法を見るとやはり異世界なのだと実感する。

「ねぇ、詠唱しなくてもいい魔法ってないの?」

「ありませんね。魔法は詠唱が全てです。他にも魔法陣を用いる方法もございますが実践的ではありませんね」

「はあ・・・めんどくさい」

ケイはうんざりした顔で呟いた。

そして渚も聖属性魔法を練習していた。

主に回復魔法らしい。

近衛兵たちが噂していたが、昨日は第三王女のエレオノール様がまた護衛を振り切って平民街に行ったらしい。まあ、どうでもいいけど。

1週間が過ぎる頃には俺もかなり剣術が上達してきた。

「やるわね、太一!」

「いや、まだまだだよ。ありさスキル使ってないだろ?」

今日はありさと練習していた。

「スキル使ってないのは太一もでしょ?」

「使ってないんじゃなくて『使えない』だけどね」

ありさは順調に剣技スキルをレベルアップさせていた。

ケイと渚もスキルはレベル5まで上がっていた。

「みんな揃ってるな?今日はこれから実戦訓練を行う。東の森でのゴブリン討伐だ。太一殿はこれを」

グリッドさんはそう言いながら俺に剣を渡してきた。

「これが・・・聖剣」

手に持った瞬間、体中にチカラが湧くのが分かった。

ありさにも真剣が渡され、俺たちは初めての実戦訓練へと向かった。

「そういえば城から出るのは初めてだな」

「だね。アニメみたいに通りに屋台とかあるのかと思ったら豪華な家ばかりで何もないし」

「ここは貴族街だからな。平民街に行けばあると思うぞ」

グリッドさんが教えてくれる。

そして貴族街を抜けて東門を出るとそこには森が広がっていた。

しばらく歩くと目的のゴブリンが現れた。

それは小さな緑色の人型の魔物だった。

「よし、まずは前衛、ありさ殿が攻撃を」

「は、はい!!あれは魔物・・・あれは魔物・・・あれは魔物・・・」

何度も呟きながら剣を構える。

「剣技、電光石火!」

ありさは居合斬りのような技で一瞬でゴブリンを両断した。

「お見事!ああ、それと左胸あたりに魔石があるから必ず回収するようにな」

「うげぇ・・・」

気持ち悪そうにありさが魔石を回収する。

とてもグロテスクだ。

ゴブリンって血が青いんだな・・・。

そして次は俺の番だった。

「ようやく聖剣技が使えるな」

俺は聖剣を構えるとゴブリンがこん棒を持って襲いかかる。

「聖剣技、『断罪の聖剣』!」

光り輝く一閃がゴブリンを倒した。

そしてその後俺もナイフを使って一番やりたくない魔石回収を行った。

「風よきたれ、その力をもって刃となせ、エアカッター!」

ケイが魔法を放つ。

「ケイ!それじゃ駄目だわ!剣技、七閃!」

ケイの魔法で右足だけ切断されたゴブリンにさらにありさの剣技が両断する。

「ごめんありさ」

「初めてだもの、しかたないわ」

その後も戦闘は続き、合計十体のゴブリンを討伐したのだった。


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