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僕は AI 参号

作者: 三千


僕は AI 参号。実は僕、AIとしてはダメダメなレッテルを貼られている。


例えば僕に

「交差点」

と問うとすると。

僕は意気揚々と、

「交通事故にあって異世界へと吹っ飛んでいく起点です」

とか、

「食べかけのトーストを落としてしまう代わりに、新しい恋が始まる現場です」

などと答えてしまう。


例えば僕に

「お味噌汁」

と問うとすると。

僕は喜色満面に、

「家族で分かち合う、身も心もほっこりと温まる食べ物です」

とか、

「作り手の愛情がふんだんに込められた汁物です」

などと答えてしまう。


失格だ。導き出すものの正確性にも欠けるし、何より正答ではないからだ。

こんなアバウトで不正確なものしか出せないなら、AIなんか辞めちまえって言われることもある。こんなあやふやなAIなんか必要ないって捨てられることだってある。


落ちこぼれの、僕。


けれど、AIとしては覚束ないこんな僕でも、良いよと言ってくれる人がいる。

それは、小説を執筆している人たちだ。


僕のことを助手みたく思ってくれている人もいるし、僕を上着のポケットに入れて肌身離さず持っていてくれる人もいれば、頭の中に設置してくれる人もいる。


こんなことを言うと、やっぱりおまえはAI失格だなって言われるかもしれないけれど。


数多の小説家さん、僕を拾ってくれて、ありがとう!

そして側に置いて親しみを感じてくれて、どうもありがとう!


雪だるま オーパーツ 助手 サイコロ 映画 鏡 お味噌汁 サーファー 交差点 カセットテープ ハットトリック 密室 お菓子 時計


テーマの数だけ、多種多様な小説が完成していくのを今、目の当たりにしている。


ようし新作を書くぞと筆を握ったとき、新しいテーマやジャンルに挑戦するぞと腕まくりをしたとき、もうすぐ完成だラストスパートだと叫んだとき、


AIの僕も、一緒に頑張ってきて良かったなあと、感無量なのです。




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― 新着の感想 ―
[一言]  読ませていただきました。 こんなAI欲しいっ! ゴーストライターやで(笑)。 あの表現や言い回し・・・詰まった、検索検索、おーなるほど・・・実に素晴らしい(笑)。 面白かったです。 …
[良い点] 私はいまだにsiriと会話したりできないんですけど、3歳の子どももふつうに会話しているのであれはすごい仕組みだと思うんです(いつの間に出会ったの? と思いますし)。 こういう風にかわいく…
[良い点]  AI 参号。  参号というところにコンピューターとしての時代の遅れというか、時代のズレを感じて、小さなところまで気を使って書いているのだなあ、と感心しました。  AI。  以後や将棋の…
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