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〇番外編2.Colorsの日常編2

8時にあげたものの2話目です~<(_ _)>

誰かの声に最初にビクリと身体を揺らしたのは薫だった。ついでそれは3人にも伝播し、戦慄が走ったようにビシリと固まる。


「それ、僕のエビフライ〜!!」


だが、その言葉の後に続けてそう聞こえた。一言では分からなかったが、数語言葉を発することによってその声の主が小さな男の子出会ったことがわかった。4人がそれぞれ振り返ると、家族連れがいた。エビフライの話は4、5歳くらいの小さな男の子が、隣のにはそれより小さな男の子に向かって言ったらしかった。


「なーんだ、エビフライか……」


結希が小さくため息をつく。薫も隣で安堵のため息を吐いていた。その時、ちょうど奥さんがやってくる。唐揚げ定食をひとまず2つ手に持ち、結希と薫の前に置いた後、また戻っていき、今度は透と樹の前にも置いた。


「はい、おまちどうさま、唐揚げ定食ね〜。ごゆっくり〜」


ニコッと笑って去っていった奥さんを見送ってから、透が自らの左側に置いてあった箸立てから4人分の割り箸を取り、それぞれに配り始めた。


配り終えると、いち早く手を合わせたのは樹だ。パチリと勢いよく手を合わせて、


「やったぁ!いただきまーす!」


「樹くん!声が大きいですっ!」


途端に薫の注意が飛ぶ。すると、樹は苦笑しながら肩を竦めた。唐揚げを箸でつかみながら「そんなに心配しなくても大丈夫だと思うよー?」と言う。そんな2人の様子を見ながら結希がふふっと笑う。


「薫は、なんか誰かに追われているみたいだよー?」


透も「いただきます」と挨拶をしてから唐揚げを食べ、


「こんなに美味しいのに食べないのかい?」


と問う。


「た、食べますー」


薫はそう言うと手を合わせて「いただきます」と言ったあと、割り箸を割り唐揚げを口に入れる。


「ん!おいひいでふ」


その途端、ふわっとした笑顔で笑う薫。だが、思ったより声が大きく出たのか、慌てて自らの口に手を当てて声を抑えようとする。


定食を食べている間中も挙動不審な薫であった。



ドキドキしながらも4人は昼食を終え、支払いを済ませたあと、外に出る。


「美味しかったねぇ」


満腹満腹〜と嬉しそうに言う樹に、薫は苦笑をして、


「何事もなくすみそうでよかったです……っ!?」


と言ったその時、バサりと風が吹く。慌てて帽子とフードを抑える。だが、1名少し遅れた者がいた。結希である。風に対応出来ず、ふわりとフードが浮く。「あ、やばい!」と思って抑えようとしたが、時すでに遅し。ふわりと風に浮かんだフードはそのまま後ろに流れるように取れる。それに合わせるようにしてファサっと落ちる青色の髪はここら辺では珍しい色。ウィッグとはいえ、それを感じさせない美しい髪。


「きゃあぁああ!!アオくん!?」


と同時に聞こえたのは黄色い悲鳴と自らの名前を呼ぶ声。その声に釣られたのかどんどん人がやってくる。ついで、チラホラと「じゃあ、あの隣にいる3人はColorsのメンバー?!」、「あれ、ユカリくんかなー!」「それじゃ、あれはアヤちゃんだぁー」、「こっち見たの、コウ様ね!」などと声が聞こえてくる。


その声にどうしていいか分からなくなっていると、


「こっち!」


透の声が聞こえた。その声に振り返ると、ぎゅっと腕を握られ、そのまま引っ張られ、されるがままにその場から駆け出す。4人で慌ててその場から走って逃げる。


「もー、結希くんのせいでバレちゃったじゃん〜」


走りながらぷくーと頬を膨らませる樹だったが、その声はどこか楽しそうだ。


「ごめん〜」


そう結希が謝ると、少し後ろを走る薫が苦笑いをしながら、


「まさか樹くんの予想通りになるとは思いませんでした……」


とため息を吐いた。すると、透はニコッと笑って、


「でも、こういうのもちょっと楽しいかもね」


「だねー」


結希は頷くが、薫はブンブンと首を横に振る。


「僕はもう二度とごめんです……。唐揚げは美味しかったですけれど、あんなにビクビクしながら食べたくはありません」


薫がそう言うと、樹が吹き出すように笑い、それから、ケラケラと笑い始めた。


「そうそう、周りをキョロキョロしながら唐揚げを食べる薫くん、面白かったなぁ。挙動不審だったよねぇ」


その言葉に結希も思い出したのか、ふふっと笑った。そんな2人を困ったような睨んだような顔で見る薫。


「笑わないで下さいよー」


「でも、ちょっと可愛かったよ」


「もう、透まで!からかわないで下さいよ〜」


キッと透を睨む薫だが、その顔はぷんぷんという効果音がつきそうなもので、全然凄みはない。


「そーいう、睨む顔もなんか憎めないから言われるんだよー」


結希が言うと、樹もふふっ笑って続ける。


「薫くん、可愛いは僕の専売特許だけれど、今だけは譲ってあげる〜」


「そんな権利いりません〜!」


そうやって言い合いをしているとどこかおかしくなってきて、4人で笑う。そして、そのまま仕事現場へとかけていったのだった。



「アヤ!アオ!コウ!ユカリ!」


楽屋に戻った途端に響く怒声。そちらを見ると鬼の形相を浮かべたマネージャーの姿。眉も目も極限までつり上がっているし、肩はワナワナと震えているようにも見える。こちらに向かってくる足音も大きい。マネージャーは結希たちの方に近づくとずいっと自らの右手を前にのばした。手の中にはスマートフォン。


「これ!どういうことよ!?」


見せられたのはSNSの画面。『え!?Colorsいたんだけど!?』という文字がたくさん並んでいる。4人はそーっとその場から離れようとするが、ガシリと腕を掴まれる。辺りが凍るようなマネージャーの声音に、結希と樹はガクガクと振るえ、透は肩をすくめる。薫は申し訳なさそうな顔をしている。


「ねぇ、アイドルの自覚あるー?こんな無茶、していいと思っているのならオハナシが必要よねー?」


「ご、ごめんなさーい!!」


「もうすぐ出番だから、それが終わったら覚えてなさい!」


このあとマネージャーにしこたま怒られたのは言うまでもない。

無茶をさせたかっただけテヘコツ(๑•؂<๑)⌒☆←

それと、もしかしたら気づいてくれている方もいるかもしれませんが、食事処『つばき』はこの物語において2度目の登場ですー。2人とも行きつけなので時間は違えど同じ日にご飯を食べてた日もあったかもしれませんねー。

それから、本名と芸名が両方出てきてややこしくなっていると思います、ごめんなさい……


番外編はこれで終了です!!

次から2章へ参ります<(_ _)>


投稿は出来次第と行った所でしょうか……


……作者は単純なのでブックマークや評価、感想などをしてくださればやる気が上がる……かも?


ぜひよろしくお願いします( ̄▽ ̄;)

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