表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/150

〇番外編1.無線で心を繋ぐ

僕、蒼羽結希はワクワクした足取りで家へと向かっていた。今日は仕事が早めに終わることになっていたので陽葵と電話をすることになっているのだ。


直接会えるのなら会いたいが、電話で声を聞けるのも嬉しい。最近お互い忙しくて会うことはもちろん、電話すらできていなかったのだ。


きっと帰路に着く前、僕は周りに幸せの花を振りまいていたに違いない。出ていく時、グループメンバーに変な顔をされたから。


そんな風にルンルン気分で家に着き、夜ご飯の準備をしながら、早速連絡をいれる。「こんばんは!今日、何時くらいからなら大丈夫そう?」と打ち込み、送る。


返事は案外直ぐに返ってきた。「ごめん、今帰ってきたとこで、今からお風呂に入る!9時くらいでもいい?」と書かれている。今は8時くらいである。


すぐに「大丈夫!ゆっくり風呂にはいってね!俺も入ってくる」と返信をする。夜ご飯がちょうど出来上がったので、僕も風呂に入ってしまおう。


お風呂から出ると、夜ご飯を食べる。今日の夕食は家にあったものを刻んで入れたチャーハンとこれまた家にあった野菜です作った野菜スープである。スープの味付けはコンソメ。


ご飯を食べて歯を磨いてとしているうちに9時になった。陽葵から「もう大丈夫だよ」と連絡があったので、こちらから電話をかける。


「お疲れさま、ゆうくん!」


「お疲れさま、陽葵!」


電話をかけると少しの呼べだし音の後、声が聞こえた。いつもの優しい声音に心があたたかくなる。仕事で疲れたことも全部なくなってしまうよ。


「最近はどう?仕事は忙しい?」


僕が話を振ると陽葵は少し間を置いて、


「まぁ……最近残業ばっかりしている気がする」


と少し疲れた声でそう返ってきた。


「そうか〜……。新企画とか?」


「そうそう!また新しい企画が通って、今頑張り中!」


「そうなんだ!それは凄いね!!」


「でしょー?またみゆとも一緒なんだ〜」


「それは心強いね」


「うん!でも、疲れたよ〜」


話すことが決まっている訳ではない。ただ、雑談をするだけ。でも、それがとても楽しいし幸せだなって思う。


「ゆうくんは最近どう?」


「んー、忙しくはあるかも。でも、ファンのみんなに喜んで貰えるかなと思うと楽しい」


「そっか〜!」


「それから、陽葵とこうやってお話出来るから頑張れるよ。陽葵のおかげ」


そう、陽葵のおかげ。だから、毎日頑張れる。声を聞いて励ましてもらったり一緒に喜んでくれたりそうして一緒にいてくれるから頑張れる。


そういうと、陽葵はえへへと少し笑う。


「照れるよ」


でも、本当のことだから仕方ない。君といられたらこんなにも幸せ。その度に、この人が好きだなーって思うのだ。


「本当の事だよ!陽葵のこと、大好き」


湧き出た感情を心のままに伝えてしまうと、電話口から息を飲むような音が聞こえてきた。ついで、ガチャガチャと何やら慌てたような何かを倒したような音も聞こえてくる。


「……っ!い、いきなりそういうこと言わないでよ」


慌てたような音を声に乗せる陽葵に、少し微笑ましくなった。陽葵はいつまでたっても慣れてくれない。こんなに毎回愛を伝えているのに。そういう所も可愛いのだけれど。こういう反応をされるとちょっとからかいたくなる。


「えー、言いたいって思った時に愛を伝えないとー」


「ほらまたっ!恥ずかしい!」


きっと今頃電話の向こうで頬を赤く染めているだろう。電話だから見えないけれど、真っ赤になって慌てているに違いない。可愛いなぁ。


「ごめん、ごめん」


「もー!ばーか」


直接会っている訳じゃなくても、心が繋がっている感じ。幸せだなって思う。その後もいくつもいくつも会話をして、笑いあった。


「陽葵?」


「………」


微かに寝息が聞こえる。どうやら眠ってしまったらしい。連日残業だと言っていたから疲れているのかもしれない。その寝息すら微笑ましくなって自然と笑みがもれる。


でも、いつまでもこうしている訳にはいかないから、名残惜しいけれど電話を切る事にする。


「おやすみ、陽葵。いい夢を」

番外編1話目ですー!

読んでくださってありがとうございます。


もし面白いと思って下さった方がいらっしゃいましたら、☆をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ