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97話.わたし、食べ歩き

少し行くと、マーケットが見えてくる。緑がかったアーケードと、『Borough Market』と書かれた看板が見えた。中にはたくさん人がいて、賑わっている。


「わー、すごーい」


異国情緒溢れる場所で規模も大きく、胸がワクワクと高鳴る。当たり前だけれど、英語の看板がならんでいて、本当に海外に来たんだと実感する。壁が石造りになっていたりするところもあってオシャレだ。映画のワンシーンでありそう。


緑のアーケードの中に入ると、たくさんの店が並んでいる。美味しそうな匂いも漂ってきてお腹が空く。


「長い歴史のあるマーケットなんだよ!食べ歩きもあるけれど、普通に食材の買い物とかもできるよ。そらからレストランもある。近くに住んでいる人はここで買い物をすることもあるみたい」


ゆうくんがニコニコと笑いながら教えてくれた。少し得意げになっているのがなんだか、微笑ましい。こんなことを言ったら怒られるかもしれないけれど。


イギリス以外の料理もあるらしく、ここに来れば様々な種類の食材が手に入るそうだ。


ゆうくんの説明にワクワクしながら頷く。


「そうなんだね!市場みたいな感じかな」


「そうそう。さて、お昼、どうする?」


「何が美味しい??」


そう聞くと、うーんと悩むゆうくん。美味しい料理はたくさんあるらしい。


「そうだなぁー。パエリアとかかなぁ。あとはイギリスと言えばフィッシュ アンド チップスだと思う!それから、リゾットも美味しいらしい。デザートもあるよ!」


「パエリア!食べてみたい!!あと、デザートはもちろん食べる!」


ゆうくんの言葉にうんうんと頷く。すると、ゆうくんはぱあっと顔を明るくした。そう言えばゆうくんはパエリアが好きだったな。私もまぁ、ゆうくんほどではないが好きだ。


私がゆうくんの笑顔に癒されていると、ゆうくんははっとした顔をした。


「なんか、僕の好きな食べ物押し付けたみたいで、ごめん」


「いやいや!全然!私もパエリア、好きだし」


「じゃあ、とりあえずパエリアから行ってみる?多分結構並んでいると思うけど」


「うん!行ってみる!!」



案内されたパエリア屋さんは、どうやら魚屋さんがやっているらしい。大きな鍋が店先にババンッと置いてあり、そこにパエリアが作られている。こんな大きな鍋は見たことがない。


「すごい!すごい!!」


「ね!」


2人で感動しながら店の前に出来ていた列に並ぶ。人気店のようで本当に長蛇の列ができていた。こんなに並ぶってことは美味しいんだと思う。


どんな長い列でもゆうくんと一緒なら退屈じゃない。恥ずかしいから本人には言わないけれど。


どんな味かなぁ、楽しみだなぁと2人で話しながら並んでいると、順番はすぐに来た。大きな鍋が目の前にある。美味しそう!


おじさんにお金を渡すと、お皿に海鮮がドドンと乗ったパエリアをお皿に豪快に盛り付け、手渡された。いいにおいがする。他にも食べたいので、ひとつを2人でシェアすることにした。


「美味しそう!」


「あっち側にイートインスペースがあったから、あっちで食べる?」


「うん」


返事をし、2人でイートインスペースへと向かう。立ちながら食べている人や段差に座って食べている人もいる。みんな美味しそうに食べていて、その笑顔を見ているとこちらまで幸せな気分になった。


イートインスペースは混んでいたが、席が空いたので座ることにした。2人で皿を囲み、貰ったフォークで食べ始める。


「ん!魚介の味!」


私は口にパエリアを入れた。食べた瞬間広がるのは魚介の味。いい出汁が出ていて、それがお米に染み込んでいる。そして、レモンの酸味がよくマッチしている。


美味しい!!とても!!


「陽葵、こっち向いて。ほら、えびをむいたよ。あーん」


もぐもぐと口を動かしていると、ゆうくんがそう声をかけてくれた。ゆうくんの方を向くと、大きなえびが目の前に迫っていた。食べてくれと言わんばかりだ。


「え、ありがとう!」


ゆうくんに言われるまま私は口を開けてえびを口の中へ迎え入れた。もちろんえびもとても美味しかった。ゆうくんは目を優しく細めながら笑う。


「目がキラキラしているね。そんなに美味しい?」


「うん!ゆうくんには私が剥いてあげるね。あ、それから、これ、ウエットティッシュを持ってきてるよ」


「用意がいいね、ありがとう」


「うん。なんか、いるかなぁって思って持ち歩いてた!役に立ってよかった!!」


私はカバンからウエットティッシュの袋を出し、それから1枚引き抜いてゆうくんへと渡す。それから、えびに取り掛かった。そして、ゆうくんが指を拭き終わったタイミングで、えびをゆうくんの方へと向ける。


「はい、あーん!」


「ありがと!……あ、美味しい!」


ゆうくんも、もぐもぐと食べてからぱぁぁっと素敵な笑顔を浮かべる。その口元には赤色のソースがついてしまっていた。口に入れるときにあててしまったのかも。


「ごめん、口元にソースつけちゃったかも」


「え、ほんと?」


ゆうくんは驚いた顔をしつつ、ウエットティッシュで拭こうとする。だが、いっこうに取れない。


私はウエットティッシュを1枚取ると、自らの指を拭いてから、ゆうくんの口元を拭った。


「え、あ、ごめん、ありがとう!」


「どういたしまして。というか、つけたの、多分私だし!」


その後も、バラマーケットをぶらぶらと歩き、美味しそうなものを食べ歩いた。もちろん、デザートも食べた。アップル・クランブルというスイーツがとても美味しかった。

ロンドンに行ったことがないので、調べながら書いています……!違ったらごめんなさい。

パエリアは本当にあります!写真で見ただけですが、とても美味しそうでした。いつか食べてみたい!!

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