雪花絞り
「え?これ?これはえっとね……何て言うか恥ずかしいんだけど、皆の事を考えながら作ったじゃない?その時私だったらこう言う人の方が好みだな~なんて想像して作っちゃったのよ。ふふふ
だから何となく売れないじゃない?いつか出会うかもしれないし……なんてね。
所でどうかしたの?何か悩んでる?」
本当はもう出会っちゃってるんですけどね~、恥ずかしいし叶うことは無いので、言う必要も無いかなと思って誤魔化してみました。
「そうなんだ。ふふふ、いつかベラにも素敵な人が現れるといいわね。案外近くにいるかもよ?ふふふ
そうそう、この注文なんだけどね、男性用で黒でシンプルな物がいいって……
そこまではいいんだけど、店主さんから上質なものでって追加事項が書いてあって……シンプルで上質って何をどうしたらいいのかわからなくなっちゃって……
しかも黒でしょう?何かいい方法がないかしら?」
近くとはダリウス様のことでしょうか?靴にしか興味が無いと、ハンナは知りませんでしたっけ?
それはそうと黒でシンプルで上質ですか……シンプルがいいならデザインを凝るわけにも宝石をつけるわけにもいきませんね……何て一文を付け足してくれたんでしょうか、この店主め!
黒ですか……最近黒に縁がありますね。ふふふ、イケメンさんをイメージして作ってみましょうか。
「わかったわ。ちょっとデザインとか考えてみるから、ハンナは別の注文から先にしてて」
上質ですか……コーネリアお姉様達のように宝石を散りばめるのは出来ないけど、金属を真ん中に練り込むのは出来ますね。黒なんで金属ではなくブラックスピネルを細かく砕いたらどうでしょう?
グレーの瞳だったので白金も一緒に少しだけ練り込んで、外側はシンプルなデザインで色は透明感のある限りなく黒に近いグレーで。
うん、きっとかっこよくなりそうです。
ケースも黒の革で、中のシルクはグレーがいいですね。黒にしちゃうとペンと同化しすぎちゃいそうですもんね。
ハンナも気に入ったようです。注文した人はどんな人何でしょうね?喜んでくれるといいな~。
さてさて、実はちょっと藍染が出来た辺りから試したい柄があるんですよね。
雪花絞りと言う染め方なんですけど、専門学校時代に日本の伝統の染め物の1つとして教科書でさらっと習った時にあまりの綺麗さに心奪われて、友達と何となくで試したことがあるんです。
教科書の写真みたいには綺麗に出来なかったけど、中々可愛く出来て気に入ってたんです。
布を屏風だたみして、同じく屏風だたみで三角につらつらつら~と折って、同じサイズの木の板で両サイドを挟んで糸で固定して、三角の下の部分だけを染めたり上は違う色で染めたり色々染め方次第で模様が変わるんです!
雪花絞りの浴衣何て凄く綺麗でしたよ~。まぁこの世界じゃ浴衣着れないんで、日傘にしたり夏用のスカートやワンピースでも綺麗ですよね。
魔力できっと綺麗に染めれるはずなんで、楽しみです!
何色がいいですかね?日本人としては藍に行きたくなるんですけど、さすがに和風過ぎて世界観に合わないかな?
とりあえず1枚藍に薄いピンクも入れて作ってみましょうか。
「ダリウス様、ちょっとアイロンがけ手伝ってもらってもいいですか?」
「人を都合のいいアイロンだと思わないでちょうだい!デザイン画描いてて忙しいから自分でしなさい!」
ちっ!バレたか。
そんな師匠に対して都合のいいアイロンだなんて全然思ってませんって。ふふふ




