やっぱりダリウス様最高です
「ダリウス様、どうしてこちらに?」
「あんたねぇ、私も一緒に働くからに決まってるでしょう?お店はどうでもいいけど、アトリエは私だって色々注文があるのよ!」
「そうなんですね!アトリエの壁は何色にしますか?」
「そんなのどうでもいいわよ!あんたが決めなさいよ。チャラチャラしてなければ何でもいいわ。
そんな事より、自分専用の作業台とか棚とかそう言うのが色々あるでしょう!これからずっと使う事になるんだから、自分が使いやすいようにしないと意味無いじゃない!
まったくもう、あんたはちゃんと考えてるの?ドレス作るんでしょう?物の配置とか変えられる物はいいけど、備え付けの棚とか中々変えられないのよ?わかってるの?
それと、アトリエの下が店舗って聞いたけど、音とか大丈夫なの?」
「なるほど……ミシンも結構うるさいですよね……あ、コルクマットでも敷いたらどうですか?
ワインの栓のコルクですよ。あれの大きくて平べったいのを床に敷くと、衝撃が吸収されて音が響きにくくなります!コルクなら私の魔力で作れそうです。
それより、今魔力で凄いもの作ったんですよ!ちょっと見てくださいよ!
おじ様もおば様も見てください!私の魔力で布が出来ました!と言っても植物である木綿と麻限定ですけどね。
この布、綿なんですけどサテン織りと言う織り方で織ったんです!どうですか?光沢が出て綺麗でしょう?
もちろんシルクに比べると光沢も手触りも質は落ちますが、平民向けのレンタルドレスなら十分だと思いませんか?
ちょっとしたお出掛けワンピースを作ったとしても、平民でも余裕で買える金額で出来ますよ!」
「確かに光沢があって綿には見えないわ。シルクと比べて扱いやすそうだし、いいじゃない」
ダリウス様、気に入ってくれたようです。おじ様とおば様はどうでしょうか?
「確かに十分綺麗だ。肌触りも悪くないぞ」
「そうね……まぁ目の肥えた貴族は気付くでしょうけど……でもそうね、手触りもとてもいいわ」
やはり及第点の様ですね!これで決定ですね。あとは草木染めでどんな感じに色が着くかですね。楽しみです。
「それで、この伸びる生地は何なの?」
「これはコットンニットです。部屋着や肌着なんかにも最適ですよ。こちらにいる間に作ってみますね。
こっちはタオルです!吸収性が抜群なんです!ぜひ試してみてください!」
ふふふ、きっとびっくりしますよ。どちらも初めての素材ですもんね。
「ふ~ん……ねぇ、これでタイツ作れないかしら?」
な、ナイスアイデアです!さすがダリウス様!
タイツって皆さんの想像と全然違うんですよ!伸縮性が無いのでモタッとしてて動きにくいと言うか……
手編みのタイツもあるけど、シルク素材の手編みで恐ろしく高いんです。上位貴族しか買えません。シルクじゃない物だと履き心地微妙なのに、やっぱり手編みだから高いんですよ……
きっと靴への愛が半端無いダリウス様からしたら、今のタイツは許せないんでしょうね。
さっそく試してみましょう。慣れたもんで、綿花を取ってほぐほぐ~、もう少し伸縮性が欲しいからメリヤス編みかな?輪にして編み編み~。こんなもんかな?
とりあえず試しにメンズの膝下丈にしてみました。
ベンチに座ってさっそくダリウス様が試着です。踵部分を作り忘れたんでもっともたつくと思いましたが、フィット目に作ったんで以外とスッキリいい感じです!
まぁ皺は出来てますが、今までのものより断然履きやすいはずです。
さっそく自分の分も作らなくては!親戚の分も量産ですかね~、ああでも公爵家の方々は高位貴族なのでシルクの上等なものを持ってるから要らないですね。
「ちょっと、これいいじゃない!何この履き心地……これ絶対売れるから量産しなさいよ!目玉商品よ!いくらで出来るの!?」
え……いくらと言われても魔力で作ったのでタダですが?




