休暇再び
今年もやって来ましたよハルマン王国。お父様は今年も忙しいのでまたハンナと2人です。
今年は去年と違ってまずは王都の店舗の事を色々決める予定なので、先に公爵家にお邪魔します。
「サイラスおじ様アリシアおば様お久し振りです。今年もお世話になります」
「まぁ、ベラなの?こんなに大きくなって!成長期がやっと来たのね。うふふ」
ふふ、そうなんです。去年の私より10cmは大きくなり、立派なレディになりました!まぁまだハンナの方が身長も胸も大きいですけど……
「さあさあ、暑いから中へ入ろう。冷たいお茶も用意してるぞ」
この1年で、うちの親戚にはすっかり冷たい飲み物が定着しました。アイスティーもいいですけど、麦茶をお土産に持ってきたので、この夏は冷たい麦茶の魅力にもはまって貰いましょう。アイスは無いのかな?
そうそう、アイスと言えばコーネリアお姉様が頑張ったみたいで、今では色々な味が出来てすっかりノルウィス王国の名物になっています。
お父様が訪ねた時に冷凍箱を量産して、販売カーならぬ販売馬車で転移門で各国を回っているようです。
おかげですっかりアイスの虜になった各国の貴族から、冷凍箱の注文が入ってお父様もちょこちょこ駆り出されているようです。
バニラにナッツに苺にみかんに林檎にミルクティー味も有りましたね。パンプキンにお芋にブルーベリーにラムレーズン、キャラメル、そしてチョコレート!チョコレートはまだ量産してないので高級アイスなんですよ!
ノルウィス王国へ昨年渡した苗達は、立派に育って種や種芋を取り、まずは作物を育てるのが厳しい地域から順に配布したそうです。無事に育ってくれます様に。
なんとオズワルド様もノルウィス王国へ視察へ行ってくださり、数ヵ所ではありますが土壌改良をしてくださいました。
またチェーチル王国が落ち着いたら、他の地域も土壌改良をしに行ってくださるそうです。
おかげでノルウィス王国はチェーチル王国の次期国王にオズワルド様を推してくださると確約を頂きました。
ちなみにコーネリアお姉様は現在妊娠中で、秋に出産予定だとか。まぁラブラブでしたもんね。ふふふ
元気な赤ちゃんを生んでほしいですね。
「最近チェーチル王国はどうだ?オズワルド殿の名声が此方まで聞こえてきてるが……チェーチル国王の直近の国外業務はいつになりそうなんだ?」
「おそらくオーハワ王国の国王様の婚姻の義かと思います。中々国を空けたがらないのですが、王太子様ならいざ知らず、国王様の婚姻ですからね。さすがに代理は難しいのでは無いかと……」
「なるほど、ではあと4ヶ月後か。ふむ、丁度良い頃合いかもしれんな」
「婚約破棄されたらその日のうちにこちらに来ますので、よろしくお願いします」
「ああ、荷物を取りに帰る前に先にこれをこちらに送りなさい。これが届いたら転移門まですぐに迎えを寄越すから、心配するな。
まんがいちあのバカが手を出すとも限らんから護衛を付けたいと王兄殿にお願いしたんだがな、優秀な執事を付けてるから問題ないと断られてしまった……信用出来そうな奴なのか?」
「そうですね……大変見目麗しく、目の保養になるお方です。でもあの2人の扱いはまさに神業ですよ!
今1番気になる殿方ですわ。うふふ」




