商品開発 その1
とりあえずめんどくさいので、ナルシストとヒロインちゃんの事は視界から強制排除することにします。
ギャラリーが余計なお世話で色々情報をくれたりしますが、興味が無いので淑女の笑顔でやり過ごします。
そんな事よりどんな商品を作ろうか、そっちの方が大事です。
とは言え、無駄な王妃教育とやらで制作時間も限られてしまうので大掛かりなことも出来ません。
前世の仕事を生かしてドレス作りなんかもしたいけど、それは無事にハルマン王国に行ってからになるでしょうね。
目新しいけど庶民にも手が出せる程度の物がいいのですが……
私の能力と言えば緑の魔法です。そう、植物や花です。
花と言えば、前世ではプリザーブドフラワーが流行っていましたね。
花嫁のブーケにすると、長期間保存が出来るのでいい思い出になるのです。
ドレスはレンタルがほとんどなので、そうやって手元に残せる物があるっていいですよね。
ふむ、プリザーブドフラワーはいいかもしれませんね。
あと庶民向けのウェディングドレスのレンタルなんかもいいんじゃないでしょうか?
でも前世と違って写真に残せないので、ドレスはさほど需要が無いかもしれませんね。
平民の方は皆さんウェディングドレスはどうしてるんでしょ?気になります。
今度ハルマン王国に行った時、街に出て市場調査するのもいいですね。
と言うことで、まずはプリザーブドフラワーですね。
出来れば今度ハルマン王国に行く時に見本として持っていきたいのですが……
何と言う事でしょう、完成品は何度も見たのに実際の作り方が全くわかりません!
こう言う時こそ、へいキューピー!
同じ物は出来ないけど、成長をものすごくゆっくりにしたらどうかって……なるほど。
試しに切り花に魔法をかけてみます。
うーん、果たして魔法がかかったのかどうか?正直結果がわかるのに時間がかかりすぎる気がするのですが。
「大丈夫、大成功だよ。
これでこの花はこの先20年かけてゆっくりゆっくり枯れていくよ。枯れても綺麗なドライフラワーになるみたいだよ」
ふむ、チートなキューピーがそう言うのならきっとそうなんでしょうね。
プリザーブドフラワーでは無いけれど、とりあえずこれでよしとしましょう。
さっそく試作品を庭の花を使って作ってみましょう。
定番のブーケに花冠、プロポーズ用の1輪の花もいいですね。
花の種類によって金額を変えれば、貴族用の高級な物と庶民用のリーズナブルな物の両方が出来そうですね。
まずはブーケと花冠を上手く作れるようにならなきゃです……ふ、フラワーアレンジは勉強してないので出来ないだけです!手先は器用なんで、このくらいすぐですよすぐ!
案外難しいのですね。
庭の綺麗に手入れされた花で練習するのは勿体ないので、今度の休みに郊外の花畑にでも行ってみますか。