上映会
大満足で公爵家へ戻ると、今夜の上映会の準備で従業員の皆さんは忙しそうです。
ハンナとチャールズ様は明日でしばらくお別れなので庭でイチャイチャしているようです。ああ、そう言えばお二人それぞれのお父様でしたね?あれ、ほっといていいんですか?
ハンナがやっと幸せになってくれるならそれでいいんですか、そうですか。明るくしてたけど、脳筋バカ男と別れてから家ではかなり落ち込んでいたようです。
こんなに笑顔になって、休暇中は本当にありがとうございましたとか言って涙ぐみながらダニエルおじ様と握手しています……
お父様の様子でも見に行きますか。
「あら、ベラお帰りなさい。アイザックは疲れて寝ちゃってるのよ。貴女お父様をこき使いすぎよ。ふふふ
いよいよ休暇も終わりね……ベラは本当この国では生き生きしてるわよね……ごめんなさいね、私達に力が無いばっかりにチェーチル王国ではあなたが自分らしく振る舞えなくて窮屈な思いばかりさせてしまっているわね。
今後ますます殿下の当たりが強くなってくると思うわ。あの男爵令嬢も殿下に嘘を吹き込んで貴女を陥れようとするなんて、中々の女よ。
他の貴族がどう出るかはまだ解らないけれど、貴女が完璧な淑女であればあるほど逆に彼方の粗が目立つものよ。
そうなればきっと貴女の味方の貴族が増えて、こちらに同情的になってくれるわ。どんなに殿下が死刑だ何だとわめいても回りが良しとしないはずよ。
もちろん、何の罪もないあなたに死刑だなんて言わせる気は無いけど……あの王子の事だからねぇ……王族の言うことに面と向かって逆らえる人は少ないわ。
だから今のうちに少しでも味方を増やしておくのよ。1人では無理でも、大勢なら意見も言える物よ。特に確実に間違いであるものを正す場合にはね。
だからどんなに辛くても、この国での生活を目標に頑張るのよ。辛いことがあったら、自分だけで解決しようとしないで何でも私達に相談してね。
私達も1~2年後にこちらの国に来れるように、頑張って準備するからね」
そう言って抱き締めてくれました。どこの世界も母親は偉大ですね。お母様の言う通り、最悪の事態も見据えて味方を増やすべく立派な淑女になれるように、頑張って勉強します!
そして婚約破棄して国外追放を勝ち取った暁には、思う存分畳でゴロゴロしてやるぞー!おー!
早めの晩餐を終えて、いよいよ上映会です。大広間には親族はもちろん、公爵家の従業員が身分に関係無くみんな集まっているそうです。あ、今夜のお屋敷の警備は、アレックス様が離れに移り住んだ時に新しく雇ったコーネリアお姉様とは直接関わりの無い人達が担当しているそうです。
ふふふ、冷やしたワインに氷を入れたブランデー、子供達には氷を入れたフレッシュジュースです。お酒が飲めない人用にアイスティーも用意してありますね。
そして出ました!アイスです!チョコは砕いてクッキーとマフィンになっているようですね。男性人はポテトチップスを食べつつお酒を飲んでいるようです。
この背徳的な食べ物の数々。く~、こんな一気に食べたらデブまっしぐらです!試されてるのか?私は今試されているのか~!?
あら、いよいよ上映が始まる様ですね。
はう……輝くような夫婦です。お姉様、幸せそうですね。
おお、ブロウ商会のガラスペンは中々注目を浴びた様です。きっとバカ売れ間違いなしですね!
ああ、でもハンナが帰るので量産できませんね。え?ハンナは別に力も婚約も隠す必要が無いから定期的に作ったものをチャールズ様が直接取りに来るんですか……そうですか。
く……この脳内花畑バカップルめ!え?ついでに私のデザイン画も預かる?嫌ですよ、誰が好き好んで二人のイチャイチャに飛び込むもんですか!今まで通り手紙で送るんで勝手にやっててください!




