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風船

 今日は抜けるような青空です。きっと今ごろコーネリアお姉様はお昼から行われるセレモニーに向けて磨きあげられている事でしょう。

 私達はお留守番で暇なので、街へ出て出店を見て回ったり、エマさんのお店の間取りなんかを調べたりしたかったのですが、却下されました。


 今日王都の街は歩けないくらい人が溢れているそうで、さすがに危険なんだそうです。これでもチェーチル王国の王太子の婚約者ですもんね~、忘れてました。

 その代わり、明日の午後ならダニエルおじ様とお父様も一緒に外出してくれるそうなので、我慢します。

 今日は何をしましょうか、暇ですね……


 セレモニーと言えば風船リリースなんてこの青空に似合いそうですね。ゴムがあるから風船は出来そうですが、さすがにヘリウムガスは無いので無理ですね。

 でも普通に空気入れるだけで子供達のいいオモチャになるので、子守りにはピッタリですね。早速作ってみましょう。


「キューピーいる?こう言うの作りたいんだけど。暑いし水風船もいいわね。お外で汚れてもいい服装で遊ばなきゃね」


「これ~?めっちゃ簡単じゃん。僕呼んだ意味あるの~?

 はい、こうだから。なんかお祭りあってるみたいで楽しそうだからアマリリスと行ってくるね~」


 ちっ!キューピーのくせにデートですか。色気付きやがって。私もお祭り行きたいー!

 はぁ……でも人が多いところ苦手ですしどうしようもないので、色んな風船を作って楽しんでやるぞー!


 まずはゴムはあるので何か染料をお借りしましょう。赤に青にピンクに黄色、緑といった所でしょうか。

 赤はハートにしましょう。普通の形にウサギちゃんに、水風船用の小さくて少し厚手の物に~、細長いので男の子はちゃんばらしてもいいですね。ふんふふんふふ~ん。

 出来たっと。膨らませますか……ふー、ふー……う、酸欠に。

 お父様にやらせましょう。水風船以外は全部出来ましたね。風船の口の所を洗浄したいのでタオルを……


「それでしたら私がクリーンをかけさせていただきます」


「え?メイドさんクリーン出来るの?」


「はい、私はお洗濯物を取りに来た洗濯係のメイドです。私の他にも5名ほどクリーンを使える者が公爵家で働かせて頂いています。

『クリーン』はい、出来ました」


「あ、お父様風船が割れないように保存魔法お願いします。

 6人もお屋敷にクリーンを使える人がいるんですか?凄いですね!もっと詳しく聞かせてもらえますか?」


「私でよければ……この国ではクリーンを使えると重宝がられて、平民でも上位貴族様のお屋敷に雇って貰えるんです。

 一応お客様や公爵家の方々の前に出る私だけは末端の貴族ですが、他は皆平民です。


 1番力の強い子は、公爵家の方々のお部屋にクリーンを使う掃除係りのメイドです。私は1番力が弱くて、衣類数枚程度しか使えなくて……他の子も私より少し強い程度なので、公爵家の方やお客様の衣類や寝具等はクリーンで綺麗にして、アイロン係に回します。残りの使用人の物は昔ながらの手洗いです。

 アイロン係にも1人手から蒸気を出せる人がいて、ドレスなんかはその方がされているみたいですよ。


 私のような貧乏貴族や平民の娘でもクリーンが使えれば上位貴族様のお屋敷で働けるので、1番人気の魔力なんです。それに結婚相手にも困らないんですよ。ふふふ」


「あら?じゃぁ貴方も誰かいい人がいるの?」


「はい……実は公爵様の紹介で子爵様と結婚が決まりました」


 そうですか、みんな幸せそうで何よりですね……けっ!

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