魅了ですか
とりあえず出て来たので紹介します。
アレックス様はサイラスおじ様の嫡男で、次期公爵様で次期宰相様です。
コーネリアお姉様とは一回りほど離れていて、上から順にパトリシアちゃん、オリヴィアちゃん、フェリクス君の3人の可愛い天使のお父さんです。
普段はご家族で公爵家の広い敷地内にある離れ(と言ってもうちの家より大きいかもしれない)に住まれています。
「お父様、それで彼女の魔力は何か結局分かりましたの?」
「いや、それがな~、目立った魔力もほとんど無いようだ」
「ん~でもその子次々色んな男を虜にしてるんだろう?魅了か何かの魔力持ちなんじゃないか?
話を聞く限り頭はあまり良くなさそうだし、そんな女にいくら顔がいいからって次々惚れるもんか?」
「アレックス様……残念ながら彼等は想像以上にバカなんですよ……」
シーン……あら?何故だか静まり返ってしまいましたね?お父様もセドリック叔父様もうむむとか唸っています。
きっとフォローの言葉が見つからないんでしょうね。そんな無駄な努力する必要無いのに。
それにしても、魅了ですか……でもそれならもっと他の生徒も彼女に心酔するはずですよね?
他の普通の男子生徒は極力関わらないようにしている様に思いますので、違うんじゃないでしょうか?
でも、もしかしたら狙いを定めた相手にしか効かないごく微弱なものかもしれませんね。
「強制的に離れさせられた脳筋……こほん、ロバート様はその後どんな様子か分かりませんか?
もし目を覚まされた様子なら確かに小さい力かもしれませんが魅了の魔力持ちなのかもしれませんが……」
「いやどうだろう?反省はしているようだが、彼女に逃げられた事でかなり落ち込んでいるように聞いている。
もし魅了にやられていたなら、彼女を好きになったこと自体に疑問が沸くもんじゃないか?」
「あ~なるほど……
でも脳筋バカ男だしな~……疑問を抱く能力がそもそも無いのかも」
は!?心の声が漏れてしまいました!ああ、セドリック叔父様とフィリップが吹き出しています。
セルジュ君は『僕あいつ嫌い』とか言っています。ハンナは複雑そうな顔ですね……
お、お母様、言葉遣いが悪かったのはわかってますからそんなに睨まないでー!後でお説教ですね……
フィリップはセルジュ君の呟きを聞いて何やら考え込んでますね……あ、不本意そうな顔でチャールズ様に席を譲ってセドリック叔父様隣に移動しました。
あいつよりはチャールズ様が断然いいと思ったんでしょうね。私的にはもっと邪魔して欲しかったですが、まあハンナが幸せになるなら仕方無いですね。
あのマリーちゃんの取り巻きの腹黒銀髪と違って、フィリップは姉思いの素直ないい子ですもんね。
あの銀髪を物理的に離せば魅了だったのかわかるのかな?でもまあそんなめんどくさい事したくないし、変に関わってしまうのも嫌ですね。やっぱり静観するしかありませんね。
ある日突然マリーちゃんにすごい魔力が目覚めてくれると理想的なんですけどね~……
「あ、コーネリアお姉様すみません、今日で公爵家での晩餐は最後なのにこんなつまらない話を……準備がありますよね?私達はもう少し客間で家族で話したいと思います。
また晩餐の席でお会いしましょう」
「いいのよ、チェーチル王国の話面白かったし!この国での事だったらゾッとするけど……まあハルマン王国の王族の方に、その様な御令嬢に引っ掛かるような方はいませんわね。ふふふ
と言うかチェーチル王国以外ではあり得ないかしら?くすくす」
「はあ……本当嫌になりますけどチェーチル王国のバカ王子、実は私の婚約者なんですのよ~」
捨て身のギャグを皆で笑ってくれた所でお開きです。晩餐の時間までは、客間でお父様をお母様と一緒に癒してあげなきゃですね。




