魔法照明
バレバレの演技で誤魔化していると、従者の方が台車に乗せた大きな箱を持って来ました。蓋を外すと中にはぎっしり真珠サイズの小さなビー玉が入っています。
凄い数です。色付きのもあるんですね。え?ワインの空き瓶ですか、なるほど。
カーテンを閉めてもらい、箱から一粒取ってコーネリアお姉様に光らせてもらいます。明るすぎても落ち着かないので、ほどほどな感じで調整してもらい、そのまま箱に戻してその光を基準に他を全て光らせます。サングラス必須でしたね!ううう、お父様、早く保存魔法を!
全部ですよ全部!力の限り長くです!30年くらい?いいんじゃないですか?その頃にはまた新しい技術か魔力持ちの方が現れるでしょう。
とりあえず眩しいので蓋を閉めます。あ、1粒貰ってもいいですか?ふふふ
え?チャールズ様に鉄かステンレスか何かで簡単な折り畳み出来そうな土台を作ってもらって、持ち運び出来る電気スタンドにするんです。
光ってるのはいいけど、消せないのがどうにかなら無いですかね?うーん、熱を持つこともないので皮の袋に入れるか金属のカバーを着けるかですね。まあその辺はおいおいと言うことで。
お姉様も国民の方に寝る時は皮で覆うか金属のボウルか何かで覆うように言ってくださいね。
蝋燭屋さんが廃業になっちゃいますね……新しい野菜でも作って貰うように出来ませんか?出来れば先にその方達に作って貰うようにするとか、畑の土地を与えるとか……全部の部屋が明るくなるわけなじゃないので蝋燭も完全に要らなくなるわけではないのですが……その辺は旦那様と話し合ってください。
ふう、さりげなく貰った一粒をハンカチに包んでポケットに入れます。お姉様程ではなくても光の魔力持ち方はそこそこいらっしゃるので、この方法で照明なんかを作って売り出したら結構画期的なんじゃ無いでしょうか?
ああ、またもや脱線してしまいそうですね。でもお店の照明にも使えますよね。蝋燭暗いんですよね~、夜デザイン画を描いてたら目が悪くなりそうで気になってたんです。
でもまあお父様がこっちに来てからになるんで、まだまだ先の話になりそうですね。
さてと、魔力を使いすぎてぐったりしているお父様が可哀想なので、そろそろ家族団欒でもしてきますか。
「お父様大丈夫ですか?お父様のおかげでコーネリアお姉様の力を最大限発揮できる素晴らしい物が出来ましたわ。
これでノルウィス王国の国民は皆お姉様を心から歓迎してくださいますわ!さすがお父様です!」
「そ、そうか?別にこれくらいたいしたことじゃないよ」
「それはそうと、最近のチェーチル王国はどうですか?ナルシスト……リチャード殿下とマリー男爵令嬢の進展はありましたか?
あと、マリー男爵令嬢の魔力はわかりましたか?あの方にそこそこいい魔力があればいいんですけど」
「ああ、二人で色んな所に出没したって噂になってたぞ。まあ何処でもかしこでもお騒がせな行動をして顰蹙を買っているらしいが……
この前は王宮の廊下でたまたま会ったときに『先日街で偶然会ったマリーにお前の娘が色々言ったらしいな!いつまでも婚約者面しやがって!』とか言い掛かりをつけられたぞ。くっく
いつの事か聞いたら休暇中だったから、お前は休暇に入ったその日にハルマン王国の宰相家に行っているので人違いじゃないですか?お疑いならハルマン王国の宰相家に問い合わせたらどうでしょう?と伝えたら、あのマリーとか言う令嬢が明らかに狼狽えていて笑えたぞ~。
地味な方なので他の方と勘違いしてしまったのかもしれませんだとよ!はっはっは」
「それを真に受ける男が次の国王とか……チェーチル王国って本当に終わってるな」
アレックス様!こんな所で初登場しなくていいですから!




