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最高の物件

「エマさん、ちょっとお話があるんですけど!」


 勢いよく駆け込んできた私達にビックリして、エマさんが目を真ん丸にしています。

 お客さんが数組いるので、ここではちょっと話せませんね。


「あの、ここではちょっと……」


 チラリと目線だけ動かしてお客さんの方を見れば、エマさんも心得たとばかりに頷きます。


「二人ともお昼は食べましたか?まだでしたら今からちょうど休憩なので、一緒に食べに行きませんか?ここでお出しできればいいんですけど、何もなくて……」


「そう言えばまだでした。どこかおすすめのお店に連れていって貰えませんか?」


 ちょっと興奮しすぎてお腹は減ってませんが、エマさんおすすめのお洒落なお店で遅めのランチにします。

 正直今はメニューなんて何でもいいです、それよりもエマさんと話したいのです!

 エマさんと同じ今日のおすすめを注文します。


「あの、それでエマさん、お店を売るって聞いたんですけど本当ですか?」


「ああ、その話ですね。はい、もう年も年ですしそろそろお店を閉めて、ゆっくり孫のお世話でもしょうかなと思ってます。どうしてですか?」


「あの、私に売ってもらえませんか!?まだ今すぐと言う訳じゃなくて、2年後にこちらに来るのを目標にしてるんですけど……ちゃんとブロウ商会を通して正式に契約しますからお願いします!

 さすがに詳しい事は私ではわからないので、1度ブロウ商会のダニエルおじ様と話をして貰えませんか?」


「ブロウ商会に買って貰えるなら、こちらとしても断る理由もありませんけど……そうですね、2年後のオープンを目指すなら、私の1年後50になったら閉めたいと言う考えにもちょうどいいですね……

 全然知らない人に売るよりは公爵様のご親戚に売った方がこちらとしても有り難いので、今度お時間がある時にお店に来てもらえないか聞いて貰えませんか?」


「もちろんです!閉店時期も急かしませんのでゆっくり考えてください。よろしくお願いします」


 ああ、なんと言う出会いでしょうか。まさに奇跡です!何だかこの国に来てからすごくツイてる気がします。きっとチェーチル王国でのツキも全部持ってきてるんですね。

 早く帰ってみんなに報告しなきゃです!


 お店の大きさもちょうどいいし、2階の物置をアトリエにして、休憩室に給湯室、3階には住居スペースなんて最高ですね!

 ああでも私はお父様達もこっちに来ると言っていたので、そこに住むことになるんでしょうね。

 とりあえず1つは遅くなった時なんかには泊まってもいいので仮眠室にして、もう1つはダリウス様の住居にしたらどうでしょう?ああ、夢が膨らみますね!


 結局何を食べたのか、綺麗に食べれたのかも全く記憶に無くいつのまにか食べ終わってエマさんとお別れしました。

 あれ~?タイムスリップ?まあいいか。

 マークさん、早く帰りましょう!え?もう何処も行かなくていいですから早く早く!


 公爵家に戻ったらお父様とお母様、ハンナの御家族が到着していました。みんなでお茶をしている応接間に慌ただしく入ればみんなが私の勢いに驚いています。


「ダニエルおじ様!いい物件が見つかったんです!

 マークさんの奥様のエマさんがちょうど来年辺りお店を閉めるそうで、買い手を探そうとされてたんです!場所的にも広さ的にも理想の物件でした!

 なので今度購入するに辺り、色々契約なんかの話をしてきて貰えませんか?

 ああでも購入資金がまだ全然貯まってませんよね、どうしましょう。あんないい物件すぐに売れてしまいますよね!

 その辺も待って貰えるように上手いこと話してください!よろしくお願いします」


「ああ、わかったよベラ……でもまず先にそこでハグしようとして素通りされて落ち込んでる従弟殿を慰めてあげてくれないかい?」

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