婚約者
憂鬱なことに、選ばれちゃいましたよ王太子の婚約者に。
誰にどんな魔力があるって国で管理するからばれちゃうんですよね～。
王妃とか勘弁してください。王妃教育？本当無理です。
と言うか私より先に、そこのバカでナルシストな王太子を教育してください。
あ、先生達が遠い目をしてるよ。ですよね～。
まあ私が嫌なのと同時に、ナルシスト王子も地味で可愛いげのない私のことが嫌いみたいです。
これならどうにかして婚約破棄に出来そうですね。
でもいいアイデアが浮かびません。
と言うかあのナルシストの事なんか考えたくないとの方が正しいですね。
でもこのままうっかり結婚も嫌なので、何か計画をたてなきゃですよね……
そんなこんなでうっかり現実逃避して、紙を開発したりしているうちに13歳になってしまいました。
ああもちろん作っただけでまだ発表も販売もしません。
凄いって認識されたら婚約破棄に邪魔ですからね。
ただ羊皮紙が高いから、気軽にデザイン画も描けないんで発明しただけです。全ては自分の為です。
明日から貴族学園に入学です。ああどうしよう、卒業したら結婚とか無理です！
ん？学園？貴族？王子様？うーん……悪役令嬢？
あれ？悪役令嬢ってなんでしたっけ？
……そう言えば前世で同僚がなんかゲームにはまってて言ってた気が……思い出せません。
キューピーちゃんヘルプ！え？専門外？そこをなんとか！
なんか乙女ゲームとかヒロインとか言ってるよって？
ああそうでした、乙女ゲームだ！
ヒロインの女の子が王子と恋に落ちて、婚約者の悪役令嬢から王子を奪うんでした！
そこで悪役令嬢が断罪されて国外追放？死刑？
いやいやいやいや、死刑は無理無理！
でも国外追放なら隣国の子爵家でお米作ったりドレス作ったり最高じゃん！
よし、目指せ国外追放！
さっそく明日の入学式でヒロインちゃん探さなきゃです。
確かピンクの髪の天真爛漫な感じの子でしたよね。
てかピンクの髪とか見たことないけどいるんですかね？
ちょっと見るの楽しみです。
ルンルン気分で学園に来てみたけど、いないじゃん！
ピンクの髪の子なんてどこにもいないー！
めんどくさいけど一応ナルシストに挨拶しときますか。
婚約者としての礼儀ですからね。ああめんどくさいです。
おや？何やら女の子と話してます。
ピンクの髪じゃないけど、ふわふわのプラチナブロンドにピンクの瞳！ヒロインっぽい感じです！
ナルシストがデレッとしてます！
いいぞ、頑張れヒロインちゃん！
さて、あっちは勝手にやっててもらうとして、追放後の人生計画を立てますか。
キューピーおいで！
