光魔法
夕食の席でアリシアおば様とコーネリアお姉様にやっとお会い出来ました。
コーネリアお姉様は結婚を前にしてますますお美しくなられたようです。ピンクブロンドの髪に紫の優しげな瞳……貴方は女神ですか?と崇めたくなるような美しさです。
幼い頃あまりの美しさに王妃様が、この国の第3王子の婚約者にと望まれたそうですが、幼い頃より女嫌い全開だった第3王子が物凄く嫌がったそうで婚約の話は流れたそうです。
でもそのお陰で素敵な旦那様に巡り会われたので、それが運命だったのかもしれませんね。
ちなみに女嫌いの第3王子は、相変わらずの女嫌いっぷりで未だに婚約者はおろか、メイドさえも近づけないのだとか。
そこまで女性を遠ざけるとか、いったい何があったんでしょうね。
公爵家に飾ってある王家の肖像画は、第3王子が生まれてすぐの頃のものの様です。王妃様に抱かれた赤ちゃんはヒラヒラした帽子を被って寝ているので、瞳の色も髪の色もわかりませんね。
まあ私には関係のない人なんでどうでもいいですね。
「コーネリア、ベラがお前のために寒さに強く、長期保存が出来るように品種改良した作物の苗をいくつか作ってくれたよ。これで数年後には自国の作物だけで何とかやれるまでになるかもしれないな」
「まあ、本当なのベラ?すごく……すごく、嬉しいわ!これで飢餓に苦しむ国民が減るのね。
ベラは本当に凄いわね……国民の役に立つ魔力で羨ましいわ。私なんて光だけだもんな~。広範囲で明るくは出来るけど、その場限りだしね……もっと役に立てる魔力だったらよかったのに」
確かにコーネリアお姉様の魔力は強いのですが光のみなんですよね。ただ、結構明るくて東京ドーム位なら軽く明るく出来ます。何とかなればいいのですが……こう、何かを光らせてその状態をキープ出来れば電気として使えるんですけどね。
うーん、キープ?そう言えば明日はお父様が来られます。光らせている間に保存魔法をかけて貰ったらどうなるんでしょう?光ってるままなら街灯はもちろん、各家庭に配って蝋燭代わりにも出来そうですよね。
何を光らせましょうか?あ、ワイングラスに光が写って綺麗ですね。ガラスはどうでしょう?
「あの、コーネリアお姉様、例えばこのグラスを光らせることは出来ますか?」
「グラスを?出来ると思うわ、ちょっと待ってね」
ピカー!ま、眩しいです!
「もう少し抑えてください」
「ごめんごめん、これでどうかな?」
おお、ワイングラスが電球みたいに発光してます。綺麗ですね。さっきの感じからして小さくても大丈夫そうなので、真珠位の大きさのビー玉をハンナに作って貰って、お姉様にまとめて光らせてもらっている間にお父様に試しに保存魔法をかけて貰いましょう。
クリスマスツリーの電飾の一粒で部屋全体を明るくするイメージですね。蝋燭より断然明るそうなので、完成したら私も欲しいなあ。
ノルウィス王国は日照時間が短いと聞くので、喜ばれるんじゃないでしょうか?とりあえず全世帯に行き渡らせたいので、ビー玉を大きな箱いっぱいに作って貰わなきゃですね。材料が調達できればいいのですが。
サイラスおじ様が何とかしてくれるそうです。足り無い分は公爵家にあるグラスなどのガラス製品を使っていいそうです。
上手く出来ますように……
とりあえず明日はハンナはお留守番でビー玉作りですね。きっとチャールズ様も一緒ですね(笑)
さすがに一人で街には行けないので、サイラスおじ様に誰かお願いしましょう。




