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初商談

「ベンさん、おはようございます。この見本って書いてあるのは売り物じゃないので、みんなにどんどん読ませてあげてください。試食みたいなものです。

 こっちの包んであるのが販売用です。包んであるんで少々の汚れなら大丈夫ですよ。ただ、紙なので水には弱いんで気を付けてください。

 とりあえず20冊ほど置いて貰えませんか?」


「そんなにですか!?いや、うちパン屋なんで本は売れるかどうか……」


「あの、イザベラと言います。よろしくお願いします。

 本はとりあえずお試しと言う感じで置いて貰えたら大丈夫ですので。全部売れとはもちろん言いません、少し場所を貸していただいて宣伝出来ればいいな~と言う軽い感じで考えていただいて大丈夫です。

 この見本と、シンデレラご自由にお読みください。1冊5千円で販売もしております。って書いたポップを何処かに置いてもらえれば助かります。

 20冊が多いようなら10冊だけでも置いて貰えませんか?」


 そう、実は昨日思い立って手書きでポップを作ったのです。

 ポンと本だけ置いてあるより、少しでも手に取って貰えたらなとイラスト付きで可愛く仕上げてみました。

 木で作ったカボチャの馬車と靴に切り込みを入れた、即席ペーパースタンド付きです。


「あと、もし本が人気になったらシンデレラモチーフのパンを作ったら可愛くて女性を中心に売れるかもしれませんね。

 カボチャの馬車の形のパンプキンパンとかガラスの靴の形とか。

 見本を見て気に入ったけど5千円はちょっとね~と言う人でも、パンだったら買うでしょう?きっと子供にも人気が出ると思いますよ!」


「それいい!売ってたら絶対買うよ!おじちゃん作って!」


「お父さん、この本面白いよ!素敵……ねえ、私が作ってもいい?売り上げが貯まったら、そのお金でこの本買いたいの!お願いお父さん」


「わ、わかったよ。ケイトの初作品だな。

 わかりました、とりあえず試しに10冊置いてみましょう。

 完売したらまた10冊アリスちゃんにお願いすることにします」


「ありがとうございます。よろしくお願いします」


 20冊の予定が10冊になってしまったけど、置いて貰えるだけでありがたいです。

 売れるかどうかもわからない高価な物を、いきなり20冊って言われても困りますよね。

 それにしても、パンは我ながらいいアイデアです。相乗効果でパン屋さんも今まで以上に人気になってくれると嬉しいな。

 また後で買いに来ると約束して次へ向かいます。


「イザベラさん、あのねこの前言った花屋さんなんだけど、お水を扱うから怖いって言われて断られちゃったの。ごめんなさい。

 その代わりね、お母さんが宿屋さんはどうかって話してくれたら置いてもいいって言ってくれたの。

 あとね、あそこの雑貨屋さんは置くかどうかまだわからないけど、とりあえず本を見てみたいって」


「アリスちゃんありがとう。頑張ってくれたんだね。

 花屋さんはお水を使う仕事だから仕方ないわ。聞いてくれてありがとう。

 宿屋さんに雑貨屋さんまで……絵本を作る作業もあったのに大変だったでしょう?アリスちゃんのおかげでパン屋さんにも置かせて貰えたし、本当に感謝してるのよ。

 さあ次は何処が近いのかしら?」


 花屋さんがダメだったから責任を感じちゃってたみたいですね。むしろアリスちゃんがいなかったら全部1から交渉するしかなかったので、すごく助かったのに。

 宿屋さんは置いてくれるようなので、問題は雑貨屋さんですね!

 本来はこうやって置いてくれるか見て貰って交渉するのが普通ですよね。今後の勉強のために、頑張ります!

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