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パン屋さん

 今日はいよいよアリスちゃんとお出掛けです。

 ハンナも行きたいと言うことで、私、アリスちゃん、ハンナ、チャールズ様の4人でお出掛けです。

 あまり目立たないように、少しいい所のお嬢さんな感じの淡いグリーンのワンピースにします。

 ハンナも淡い水色のワンピースで可愛いです。ふふふ、チャールズ様お顔がだらしないですよ。


 アリスちゃんの工房に着いたら、ピンクの可愛らしいワンピースでお出迎えしてくれました。お休みだからお洒落して待っていてくれたそうです。

 絵本作りに街の案内に頑張ってくれたアリスちゃんの為に、樹脂と屑宝石で作った林檎型のブローチを胸に刺してあげます。

 うん、今日のワンピースとも合ってて可愛い。白雪姫みたいなアリスちゃんには、やっぱり林檎だよね。


「え?え?こんな高そうなもの貰えない!あ母さんに怒られちゃう!」


「大丈夫よ、これは宝石を作るときに出た屑で作ってるから高価なものじゃないのよ。ほら、中でキラキラ光ってる赤いのがガーネットよ。1個1個はとても小さいでしょう?

 それにまだ試作段階だから売り物じゃないの。試しに作った物だから気にせず貰ってくれると嬉しいな」


「試作品……それならいいのかな?えへへ、凄く綺麗。キラキラ光ってて不思議な感じ。アクセサリーなんて初めて……ありがとうございます!」


 試作品と聞いてやっと表情を緩めてくれました。先にお母さんに了承を取るべきでしたね。でも喜んでくれてよかったです。


 さて、台車?押し車?には出来上がって花びらを練り込んだ紙で包んだ絵本が積まれています。5冊ほどそのまま剥き出しの状態で見本と赤でスタンプしてもらいました。

 アリスちゃんが押して歩こうとしましたが、すかさずチャールズ様が制して押してくれます。

 さすが優男。と言うか領主様の息子に台車を押させて隣を悠々と歩く私達って……地元の人達から見て大丈夫なのかな?


「ここが友達のパン屋さんだよ!ちょっと待っててね。おはよーございます、アリスです。ケイトいますか?」


 アリスちゃんが先陣を切ってパン屋さんに入っていきます。

 続いて入ってみると、可愛らしい店内になっています。

 ショーケースみたいな感じでこちらがガラス張りの棚にパンが並んでいて、注文して買う感じの様です。

 イートインスペースも少しあって、可愛いテーブルクロスに野花が飾ってあるカントリー風の落ち着いたお店です。

 まだ時間が早いからか、パンはあまり並んでませんでした。残念です。


 奥からアリスちゃんと同じ年くらいの女の子が出てきました。茶色の髪をしっかりと三つ編みにして、大きめのエプロンとお揃いの三角巾にしっかり前髪を入れています。

 焦げ茶の瞳にそばかすの散った頬で、ちょっと親近感の沸く地味っ子ちゃんです。


「おはよーアリス、こちらがこの前言ってた人?

 お父さんに聞いたら本置いていいって。アリスのお願いなら仕方ないな~って言ってた」


「やあアリスちゃん。これはこれはチャールズ様、おはようございます。ご子息自ら来られるとは驚きました。

 これが例の本ですか?アリスちゃんが凄く面白いから絶対売れるっていつも言ってるんで気になってたんですよ。

 見本としてお客さん達に読ませていいと聞いたんですけど、本当ですか?」


 奥から恰幅のいいエプロン姿の男性が現れました。眉毛の色からケイトちゃんと同じ茶髪のようですが、髪は三角巾でしっかり隠されています。

 体型と同じく、全てのパーツが大きくて熊さんみたいで癒されますね。何だか物凄く美味しいパンを作ってくれそうな感じがします。お昼はここのイートインで決定ですね。

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