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印刷屋さん

 今日はもう疲れたので、用意して貰っている花が瑞々しいうちに魔力を込めて終了しましょう。

 明日はいよいよ印刷屋さんに行くので、夕食後は部屋でゆっくりジュエリーのデザインでも考えようかなと思い机に向かったものの、先ほど靴の話をしたからか、思い浮かぶのは靴のデザインばかりです。


 この世界の靴は、色も可愛くてレースやリボンが使われててとても可愛いのですよ。ただ、滑りやすいからなのかドレスが重いからなのかヒールが低めで太くてちょっと不格好なんですよね。

 日本ではウェディングドレスに合わせる物も、かなりヒールが高くて華奢なデザインが多かったので、ドレスでも大丈夫だと思うんですけどね~。


 特に私は背が低いので高いヒールに憧れます!

 でもまだ成長期なので、骨格がきちんと成長しきるまで……せめてデビュタントの頃まではローヒールで我慢したいと思います。

 デビュタントではこんな素敵なハイヒールが履きたいな~、デザインが溢れて出て止まりません!


 でもどんなに可愛い靴を履いても、貴族の女性のスカートは長いので見えないんですよね。勿体無いです。

 普段着用やお昼のドレスなんかはくるぶし丈で靴が見えるようにした方が歩きやすいし可愛いと思うんですけどね~、夜会用は短いと不格好ですよね。何かいいアイデアがデビュタントまでに浮かぶといいのですが……


 と言うかよくよく考えたらその頃には国外追放で平民になっている予定なので、デビュタントも関係ないですね。

 白いドレスにティアラ……少し……いえ、かなり憧れていたんですが、仕方ありません。

 作るだけ作って家族や親戚にだけお披露目しましょう。

 お城の舞踏会……good-bye

 悲しくなってきたので、ふて寝します。おやすみなさい。



 はい朝です!いよいよ印刷屋さんに行く日です!

 いつもデザイン画は描くものの、実際の工房なんかは行ったことがないので、初めての職場見学に行く気分でドキドキします。

 ふおおー、インクのにおいです!なるほどなるほど、こうやって一文字ずつの物を繋げて文章を作るんですね。そして1ページになると……中々大変な作業ですね。

 勝手にちょろちょろ見学していたらおじ様呼ばれました。

 どうやら工場長に紹介してくれるようです。


「こんにちはお嬢ちゃん、これお嬢ちゃんが作ったんだって?凄いな、初めて見たよ。木で出来てるんだな。

 このまま刷ればいいだけなんて、楽なもんだな!

 こんな絵ばっかりの本も初めてだ。こんなページ数でいいのか?

 薄っぺらい本だな~、おい、アリス読んでみろよ。

 この紙はなんだ?初めて見たよ!少し厚手なんだな」


「それは木で出来てるんです。もっと薄くも出来るんですが、絵本なのであえて少し厚手で作ってみました。子供向けなので、出来るだけ分かりやすく、字が読めなくても楽しめるように絵だけでもわかるようにしています。


 沢山の人に読んで欲しいので、出来るだけ経費を削減したくてページも少な目になっています。

 表紙も皮だと高いので、こっちの厚紙にこの布を貼っていただいて、この木版を押してください。


 だいたいどのくらいの人件費になりますか?出来れば平民でも気軽に買えるくらいの金額にしたいのですが……

 とりあえず試しに1冊、今から一緒に作れませんか?」


「今日は急ぎの仕事もないしいいよ、作ってみよう。

 お嬢ちゃんも一緒に作るのかい?

 インクで汚れるからうちの娘のアリスと一緒に表紙の布を貼ってみてくれ。なんせ表紙に布を貼るなんて初めてだからな。お嬢ちゃんが教えてやってくれ。

 そうだな~、人件費か……これ、色は着けるかい?」


「そうですね~、この魔法にかけられたページだけ色つきでもインパクトがありそうですよね。全部のページだと結構高くなりますか?」


「う~ん、インク代がどうしてもかかるから、経費を抑えたいなら確かにこのページだけでもいいかもしれないな。

 色はこの見本と同じでドレスは水色、髪は黄色、カボチャはオレンジでばーさんは紫でいいか?

 1ページだけならまあそんなに時間はかからないし、インク代と人件費合わせて1冊2千円って所だな」


「本当ですか?それなら置いて貰うお店に2割渡すとして5千円で販売できますね!嬉しいです!」

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