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商品開発 その3

 チャールズ様がああでもないこうでもないと鉛筆の芯を作ってくださっている間、私は黒いゴムを作ることにします。

 さっき粉にしてもらった炭素を混ぜてみます。おお、黒くなってきました。これは……成功でしょうか?固さは良さそうです。何だかタイヤみたいですね。ふふふ

 さっそくチャールズ様の靴裏に装着です。


「これは……滑らないし心なしか歩きやすい気がするよ。

 耐久性もいいんだね。これは地味だけど画期的じゃないか!

 砂利道でも足裏の衝撃が少なくなってる!

 量産は可能なのか?」


「そうですね、もう少し土地をお借りし、硫黄を用意して頂ければその分量産は可能です。

 ゆくゆくは馬車の車輪に着けたいと思っているんですよ。

 ですが大がかりな事ですので、まず今回は靴底を量産した方がいいですよね?

 ただ、接着をどうするかが問題なんですよね。

 熱で少し溶かしてくっつけるか……接着剤か……上手いこと貼り付くといいのですが。

 とりあえずは既存の靴に接着出来るものを売り出して、ゆくゆくは靴の商家と提携してあらかじめ接着しているものを売り出すのもいいですね」


「いや……俺の一存じゃ決められないけど、売り出すなら逆じゃないかな?底だけで売る必要も無いんじゃないか?とりあえず父の所に行ってみよう」


 完成したゴムを持って、おじ様の書斎へお邪魔します。


「父さん、またベラが凄い発明をしたよ!

 靴底なんだけど、とにかくベラに試しに着けてもらってくれ!話はそれからだ」


 3個目ともなると慣れたもので、ものの3分で完成しました。

 おじ様に歩いて貰いましたが、絨毯の部屋ではいまいち効果が実感できないみたいだったので、外へ行くことにします。

 玄関を出てタイル敷の階段に指し当たった頃、今までと違い全く滑らない事に気付いたようです。

 そして外へ出て庭を散策する間、おじ様とチャールズ様でぶつぶつ感想を言い合いながら話し合っておられます。


「ベラ、この靴底はまずブロウ商会が仕入れている靴にのみ着けて販売したいと思う。

 ブロウ商会の専売特許と言う形で暫くは行かせて貰う。

 それにより、今まで他所にしか卸していなかった人気の工房もうちと契約してくれるだろう。

 ただ、何事も独占するのは良くないから好条件で契約が出来たら他所の商会にも靴底を販売することにしよう。

 もちろん、その辺りも契約にあたってちゃん説明するつもりだ。長年どうしても契約したい工房があったんだが、頑固な男でな……どんなに好条件を出しても首を縦に振ってはくれなかったんだ。


 だがこれなら行けるかもしれない!根っからのクリエイターだからな。明らかに自分の作品を向上すると解るものを前に、首を横には振れんだろう。

 それに何より、新素材なんかが好きだからな。絶対製作魂に火が着くぞ!

 今度一緒にその工房に行って貰えないか?出来れば近いうちにお願いしたい」


 ふおお、頑固親父クリエイター気になりますね!是非会ってみたいです!いいものを作るのに妥協は許さない、その為には信念をも曲げると言うことでしょうか?かっこいいです。

 さっそくメンズとレディースの商品をお借りして、見本を作ってみましょう。


 その前に、アトリエに戻ったらずっとそわそわ気になっている様子のハンナの靴にも着けてあげなきゃですね。

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