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避妊

 こう言うとき、フィリスの能天気さは場の緊張を一気に解いてくれるのでいいですよね~。

 本当、楽しく生きなきゃ損ですよね!美味しいものもいっぱいあるんですよ!アイスはもう食べましたか?え?まだ?

 も~、仕方無いから今日の夕飯のデザートに出しましょう!私の奢りです!何ちゃって~、国費からでした~。ふふふ

 今度みんなで大型馬車に乗ってピクニックに行きませんか?湖に遊びの森に楽しいですよきっと!

 え?アスレチックですか?ルイポスターお願い。ルイにポスターを出して貰って皆に見せます。

 遊び場にはみんなまだ行ってなかったようで初めて見たようです。こんな綺麗なところがあるのか?やら何これ面白そうやら各々興味津々です!

 よし、じゃぁ今度の日曜日みんなで行きましょう!

 そんな感じでわいわいしていると、ロゼッタとナンシーとメイドさんがお菓子の差し入れを持ってきました。初めて来たようで、ナンシーが分かりやすく緊張しています。


「ナンシーさん!ありがとう、貴女のおかげで私達の夫は死なずに済んだわ。こうしてまた一緒にいられるのも貴女のおかげよ。この子に父親を返してくれて、本当にありがとう……」


 そう声をかけたのはお屋敷に最初に連れて来られた赤ちゃん持ちの女性です。彼女の言葉をきっかけに、他の人達もみんなお礼を言い出しました。

 ナンシーは泣いて、父親が酷いことをしてごめんなさいと繰り返しています。ですが、赤ちゃんのお父さんが『娘だからって君が悪い訳じゃない。大人の俺だって妻と子供を守れなかったんだ。まだ子供の君が助けられるわけないだろう?それなのに、頑張って考えてイザベラ様にメッセージを伝えてくれたじゃないか。おかげでみんな助かったんだ。それで十分じゃないか。それに、2年間誰も妊娠しなかったんだ、本当の父親じゃないかもしれないぞ?だから気にするな。』と言ってくれました。

 うんうん、そうだよね、よく頑張ったよ!あれ?でも妊娠しなかったのはメイドさんがお腹にクリーンをかけていてくれたからですよ?え?知らなかったんですか?

 部屋を掃除する時には、もう1人執事の妻であるメイド長も一緒だったようで、奥様達と会話しないように監視されていたそうです。

 なのでこっそりメイド長の目を盗んでしていたので誰も気付いていなかったようです。今更ですが、本当にありがとうございましたと奥様達は喜び合っています。

 あんな男の子供を妊娠するのは嫌ですもんね。


「昔からよく使われとる避妊方法なんだ~。女性が無理矢理襲われた事件の時なんかに、近くのお屋敷にクリーンメイドはいないか使いを出して、出来るだけ早くクリーンをかけるようにするのが医療の常識じゃよ~。

 もしかしたらあんたもやったことがあったんか~?偉かったの~。望まぬ妊娠は母体も危険じゃからな~」


「ええ、その……妊娠中の奥様が来てから暫くして知りました……もっと早くから知っていたら早産せずに済んだかも知れないのに……

 代替わりしてから治安が悪くなりましたので、多い時は月2~3回はしていました……おそらく監視員達じゃないのかと思っています。

 工場の女性達には手を出していなかったようでよかったですけど……可哀想に、初めてを散らされてボロボロになった女の子とか見ていられませんでしたよ!

 最後の方は減っていましたが、おそらくみんな警戒して女性1人で出歩かなくなったので、他所の町でしていたんじゃないかと思います」

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