魔王?
「そうなんだよね~、も~僕ベラのことずっと待てたんだからね~。やっと会えてよかったよ~。カゲヤマにも会えたしね!」
正反対なようで、実はこの2人凄く仲がいいんですよ。カゲヤマが来てからキューピーがよくいるようになったし、夜も2人で一緒にソファで寝ているんですよね~。
今度ベッドを作ってあげようかな。籐で猫ハウスみたいなの作って中に布団を入れててあげたら喜びますかね?ふふふ
「私もルイ殿に会えてよかったです。体質的にもそろそろ魔王にでもなるところでしたよ」
う~ん、カゲヤマが言うと冗談なのか本気なのかよくわかりませんね……確かに闇の魔力だし有り得るのかな?
魔王になったらサイズはどうなるんでしょうか?このキューピー体型じゃなくなるのかな?あぁ、色々気になり過ぎます!
「カゲヤマが言ってるの本当だよ~。ルイみたいに大きな闇の魔力持ちがいて本当よかったよ~。滅ぼされずに済んでよかったよね~。
サイズはどうかな~?前のは結構大きかったよね?でも勇者に倒されて、その後カゲヤマが生まれたみたいだよ~。
基本的に闇の妖精は一人だけだしね~。大地もそうだよ。もちろん僕も。マリリンもそうだね。
アマリリスや水とか風とか光とか癒しなんかは結構いるんじゃないかな~?まぁ数が多いと言っても人間と比べるとほとんどいないし、人間の前に出てくる子は少ないけどね~」
へ~、そうなんだ。キューピー伝説の魔王を見たことあると言うことでしょうか?あれって確か……いえ、もう考えるのはやめましょう!
キューピーがいくつでも関係無いですよね!そんな長く生きていたのに、私と一緒に生きることを選んでくれたなんて……ありがとうキューピー!これからもよろしくね!
「ああベラ、ベッド作ってくれるなら3人分の広さにしてよ~。赤ちゃんにもきっとすぐ妖精が出てくると思うんだよね~。楽しみだな~」
そ、そうなんですね……キューピーにはこの子の魔力がもうわかるんでしょうか?まだまだお腹も全く膨らんでいないので、自分的にはいまいち実感が無いんですが、不思議です。
この子も珍しい魔力持ちなのかな?ふふ、どんな力でも元気ならそれでいいですよね。髪や瞳も何色なのか楽しみですね~。元気に育ってね。
翌日の日曜日のお昼過ぎ、若い5人兄妹が馬車でやって来ました。手紙を出していたうちの1つの男爵家の兄妹のようです。
是非働きたいので日曜に行くと言う手紙を出していたそうなんですが……うん、まだ届いていませんね!
もう、郵便事情を本気でどうにかしないとこのままじゃ困りますね!
上から順に男(21)男(18)女(17)女(15)女(12)の5人兄弟で、もう1人上に兄がいるそうです。
言葉は濁していますが、父親と兄が酷い人間の様ですね……母親は平民の出で、祖父母や親戚にもずいぶん酷い扱いを受け、父親も避妊をせずにやりまくっていたようで、精神的にも相次ぐ出産で肉体的にもボロボロになって幼い兄弟を残して亡くなったそうです。
兄2人は家を継ぐわけでも無いので騎士を目指していたようですが、父親と兄の元に妹達を残しては行けないと結局家の事を手伝いつつ交代で護衛の仕事などをして過ごしていた様です。
今回の手紙も先に見つけたので、父親や兄にバレないように返事を書いて、人材募集の手紙が来たのでこれ幸いとこっそり逃げ出してきたそうです!
何とか阻止してきた妹の縁談と言う名の身売りも、そろそろ限界だったようで私からの手紙が来ても来なくてもどっちみち家から逃げ出す予定ではあったようです。
相手に愛人がいるくらいだったら問題無かったんですが、貧乏男爵家に来る縁談なんてろくな物では無いらしく、加虐趣味のある好色爺やロリコンハーレム爺や妻が幾人も自殺した家等、訳ありの中でも酷い物ばかりだったそうです……
そんな家があるのか……と思っていたら、端の方の領らしく隣国からの縁談が多かったみたいです。
まぁそんな所、国内じゃ嫁のなり手がいないでしょうからねぇ……




