子爵家
やっと子爵家に到着しました。
ううう、お尻と腰が痛いしつかれました。風魔法とかで震動無くしたり出来そうなんですけどね~、さすがにそこまで魔力を持った人もいませんからやっぱりゴムですね。
昔自転車のタイヤを悪戯で切り裂かれた事がありまして、その時裂かれて外されたタイヤとタイヤ交換の様子が面白くてじっくり観察してたので何となくの構造はわかります。
空気入れるところが難しそうですけど、実験を重ねれば何とかなりそうですよね。
でもまあ大がかりなことになるんでまだまだ先の話ですけどね。
子爵家では、玄関前で家族総出でお出迎えしてくれました。
お父様の従兄に当たる、ダニエルおじ様、奥様のエレナおば様、娘で2年前にお嫁に行ったクラリスお姉様と初めて会うお姉さまの息子のシモン君、お姉様の旦那様のブライアン様、そして私達の2歳上で子爵家嫡男のチャールズ様です。
「やあベラにハンナ、よく来たね。去年と比べてまた大きくなったね、ベラ。
ハンナは5年ぶりかな?すっかり美人になってビックリしたよ。今年は色々有意義な時間を過ごせそうで楽しみだよ。
疲れただろう?まずは部屋でゆっくりするといい」
従兄なだけあって、ダニエルおじ様とお父様はよく似ているんですよね。弟であるハンナのお父様よりよっぽど似ていて、二人が並ぶと双子みたいにそっくりなんです。
なので親近感がわくのか、子供の頃からダニエルおじ様といると落ち着くんですよね~。
今回は、お父様もハンナのお父様であるセドリック叔父様もお仕事が忙しいのでハンナと二人でお邪魔させて貰うことになりました。
「ダニエルおじ様、ありがとうございます。
皆様お久しぶりです。今年もお世話になります。
あの、もし皆様が大丈夫でしたらさっそく見本を見ていただきたいんですけど、どうでしょうか?」
正直疲れてはいます、でもそれより私達の作った物が家族以外の人からどう評価されるか、そっちが気になって休んでる時間も勿体無いと思ってしまうのです。
まあ親戚なんで他人ではありませんが、おじ様は商売のプロです!商品を見る目はシビアなのです!なのでおじ様のお眼鏡にかなうかどうか、すごく不安でドキドキします。
とてもこんな気持ちのままゆっくりなんて出来ません。
「そうかそうか、さすが若いな~。
ベラとハンナが大丈夫なら、さっそくお姫様達の自慢の作品を応接間で見せてもらおうか」
おば様達とも挨拶を交わし、一緒に応接間へ向かいます。
ハンナも緊張してるのかとチラリと様子を見れば、何やらチャールズ様とお話をしているみたいです。
婚約解消騒動をご存知なので、何か慰めてくれているのかもしれませんね。さすが優男です。
子爵家だから政略もさほど関係無いらしく、美男子でおモテになるのに未だに婚約者も親しい女性もお作りにならないと、去年おば様が嘆いていましたがどうなったんでしょうね?
今年で学園も卒業なはずです。在学中に婚約される方も多いようですが、どなたか素敵な女性は見つかったのでしょうか?
出来ればヒロインちゃんみたいな子の取り巻きにだけはなっていて欲しく無いですね。
それにしても、シモン君むちむちで可愛いです。くりくりの色素の薄い金髪で、まさに天使ですね~。
早く起きないかな?瞳は何色でしょうか?楽しみです。




