乾杯☆
R15です。
ルイは渋々3曲目が終わるとお父様の元へエスコートしてくれました。お父様とサイラスおじ様、陛下が一緒にいました。
あれ?来ない方がよかったですか?
「ベラ、逃げよう!」
ルイはニヤリと笑って私の手を引き走り出します。少しだけ振り返ると、陛下は爆笑してお父様達は唖然としています。
周りもみんな驚いたように道を開けてくれます。私、デビューの日にやらかしすぎじゃありませんか?
社交界での評判は絶望的ですね……まぁルイが一緒ならいっかな。
大広間を抜けると走るのを止めて急ぎ足くらいのスピードになりました。
所々に騎士はいますが、追いかけてくる人はいない様です。目的地に着いたようで、部屋に入ります。
「ここは何処なの?逃げ出して来ちゃって大丈夫かな?」
「俺の部屋だよ。あの状況で逃げなかったら、みんなの前で根掘り葉掘り聞かれるところだったからまぁいいんじゃないかな?
それともベラはみんなの前で俺とあんな事やこんな事をした仲ですって公表した方がよかった?」
ひー!想像しただけで怖いです!うん、無理ですね!逃げて正解だったかもしれません!
「せっかくのデビューだし、お酒で乾杯しようか?」
ふぉ、お酒ですか!そうですね、今日から大人の仲間入りですもんね!シャンパンで乾杯とか最高ですね!ふふふ
綺麗なスイーツに一口サイズの軽食も用意されています……
「もしかして最初からここに連れてくる気だった?」
「え?だってデビュタントが終わったらいいって言っただろう?だから泊まるもんだと思って色々準備したんだ」
言いました、確かに言いましたけど、デビュタント当日だとは言ってませんよね?普通に後日のつもりでした……
まぁいざとなったらまだ心の準備がと言って断って、何時ものようにただ抱き合って寝てもいいですしね……
とりあえず乾杯しましょう!ふふふ、久しぶりのお酒です!しかもこの世界では初めてのお酒です!楽しいですね!
あれ~?まだ3杯しか飲んでないのにふわふわしますね。苦しくなってきたのでティアラやお花を外して髪をほどきましょう。靴も脱ぎたいしドレスも苦しいです。
ルイが脱がせてくれてベッドに運んでくれました。
うつ伏せになってコルセットを脱がせて貰います。その間ルイは私の全身にキスの嵐です。
ふ~、コルセットを外すとずいぶん楽になりましたね。もう限界……眠いです……
「……んっ…ふぅん……」
そんなにキスされたら眠れません……
う~ん、よく寝た。ルイのグレーの瞳と目が合います。昨日は一緒に寝たんでしたね。
何だろう?いつもよりルイがセクシーな気がします。
とりあえず喉がカラカラなので水魔法で水の玉を作って飲みましょう。ルイにも飲ませてあげます。
ここは……お城でしたね。うわっ!動いた瞬間私漏らしました!?え?違う!え?これあれですよね……
ぅぅ、腰も痛いです。あれ?全く記憶が無いんですけど!
「おはよう……そんなに慌ててどうかした?」
「いや……その……昨日の記憶が無くて……」
「……俺は一生忘れられないほど幸せな気分だったのに?
今度は忘れない様に今から再現しようか」
あぁ、ヤバい!ルイの地雷を踏んでしまったようです!今からってもう朝です!朝ですから~!
結局怒ったルイの気が収まるまで付き合わされて、もう一度夢の中です。
う~ん、今は朝ですか?昼ですか?何だか外がうるさいですね。王城ってもっと静かだと思っていましたが、人も多いからかうるさいんですね~。




