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卵の殻

「アマリリス……可愛い!真っ赤なアマリリスのお花みたいに可愛いあなたにピッタリね!」


「ふ、ふん、まあまあね」


 きゃーテレてる!テレてる姿も可愛い!はう……


「き、気に入らなかったのかしら?ベラ、変えた方がいいのかしら?」


 ああ、ハンナにツンデレは通じなかったみたいです。

 不安そうにこっちを見ていますよ。


「テレてるだけだから大丈夫よ。アマリリス、とっても素敵な名前ね」


 アマリリスを見ると、楽しそうにキューピーに名前を自慢しています。ハンナもホッとしたようです。

 何でしょうこのネーミングセンスの差は……まあ子供時代に安直に考えた名前なので仕方ないですよね。キューピーも可愛いですよ!


「それでベラ……妖精って?えっと……」


 いきなりの事に何をどう質問したらいいのかもわからないみたいです。

 うん、いきなり小さな女の子が現れて妖精だから名前付けてって言われてもね……

 そう考えると、私は小さい頃にキューピーに出会っていたからすんなり受け入れられてよかったのかもしれません。

 まあまだ13歳なんで子供なんですけどね。

 でも、小学校低学年で出会うのと中学生で出会うのじゃやっぱり全然違いますよね。


「そんなに難しく考えなくても大丈夫よ。

 新しいチートじゃなくて……博識なお友達が出来たって思えばいいと思うわ。

 困った時は呼んだら出て来てくれるけど、基本的には自由な生き物みたいでその辺をちょろちょろしてて居ない時も多いから、そんなに気にしなくて大丈夫よ。

 そうだ、せっかくだから魔力の事とか聞いてみたらどうかしら?」


「そう言うものなのね……そう、そうね、この不思議な魔力の事とか教えてくれるかしら?」


 聞き耳を立てていたらしいアマリリスが飛んできて、ちょこんとハンナの肩に座りました。

 くう、可愛すぎる!女の子いいなあ~。あ、キューピーももちろん可愛いわよ!よしよし、相変わらずフワフワで気持ちい手触りの髪ですね。なでなでなでなで。


「簡単に言うと卵の殻が割れたのよ。ただそれだけ」


 え!?それだけ?簡単過ぎやしませんか!?

 ふ、ふむ……でもかなり抽象的ですが、言いたい事は何となくわかりました。

 閉じ込められていた魔力が、何かのきっかけで殻が破れて出てきたと言う訳ですね。

 それが脳筋バカ男への怒りのせいだったと……

 殻ですか……何故魔力が閉じ込められていたのでしょう?不思議ですね。


「えっと、その殻は誰にでもあるものなの?昔と比べて魔力がかなり弱って来ているけど、その殻を破れば誰でも魔力が上がるのかしら?」


 確かに、魔力が弱っている原因はそこにあるのかもしれませんね。さすがハンナです。

 だとすれば、私も殻を破ればさらなるチートに?ふふふふふ


「それはその人次第よ。そこの人なんかは殻なんて無いわよ。

 でもそうね、殻を被ったままの人は多いわね。昔は大人になる頃には破れてる人が多かったのに、どうしてかしら?」


 ああ残念です。さらなるチートは期待できないんですね。


「僕が思うに、生活が便利になるにつれて必要がなくなっていったんじゃないかな~?

 魔力が無くても、困ることなんてほとんど無いからね~。

 魔獣もほとんど見かけないし。

 例え殻を破っても、昔ほど魔力のある人は希だと思うよ~。この二人は昔と比べてもかなりの魔力で、一緒にいると気持ちいいよね~」


 ふおお、キューピーが何やら真面目な事を言っています!見た目キューピーなのに違和感たっぷりで笑えます。

 いかんいかん、ギャップが凄すぎて話が頭に入ってきません。


「もう、真面目に聞いてるの!?」


 キューピーごめん、聞いてなかったですー。でもそのほっぺを膨らませて怒ってる姿最高です!

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