領地
「サイラスおじ様、迎えに来てくれたんですか?」
「おぉ、ベラ。やっぱりまだいたのか。遅くならないうちに帰れと言っただろう?今日はうちに泊まるか?」
「いえ、帰ります。まだまだやることがたくさんあるので、移動する時間すら惜しくて……」
それに早く帰って今日の出来事を反芻しながら日記を書かなくてはいけないんです!ふふふふふふふ
ヤバいです!顔がにやけるのを必死に我慢しなきゃです!
ふぅ、なんとかサイラスおじ様とお別れして馬車に乗りました。ふふふふふ、あーダメです。もう我慢できません!
馬車の座席で色々思い出してはキャーっとなります。
だってだって漫画みたいじゃないですか?届かない~、あっ……ありがとうとか、お姫様抱っことか、ききききキスとか~!キャー!
よく図書館にいるって言っていましたね!また近々暇を見つけて行かなくては!るんるる~ん
それから、週に2回王城図書館へ通っています。ルイがいる日もあればいない日もありますが、いたら4階のソファで小声でおしゃべりしたり、一緒に本を読んだりして過ごしています。
残念なことにあれ以来キスはしていません。
でも会話の中で、お互い結婚もしていないし、婚約者もいないと言うことは確認出来ました!
まぁまだ仕事や家名は知らないんですけどね……
あっと言う間にオープンの日を迎えました。暫くは図書館にも通えないでしょうね……
さてさてお店の方ですが、平民の方はもちろん、貴族のお客様もそこそこ来てくれました。
ブラウスとスカートは飛ぶように売れて、靴も人気です……ええ、レンタルは全然ですよ?ふ、ふふふ……最初はこんなもんですよ……だって結婚式なんてそんなしょっちゅう無いですしね……
ドレスの種類を増やすより先に、ブラウスとスカートを大量生産しなきゃみたいですね。デザインも色々試してみましょう。
男性の靴下もよく売れてますよ。自分用にプレゼント用にとこれまた追加の大量生産しなきゃヤバいです!
うーん、軌道に乗ったらプリント生地を作る工場が欲しいですね。靴下の機械を作るよりも簡単そうなんですけどね……
そう言えば領地があるんでしたね!1度行ってみて工場が出来ないかな調べるのもいいですね。
とりあえずアトリエに籠って大量生産あるのみです!
1週間かけて何とか生地と靴下を大量生産しました。あとはジニーが縫ってくれるので、お任せして家族で1度領地に行くことになりました。
一応お屋敷はあったようですが、長年手入れされていないので今回は宿に泊まります。それも1番近くて隣の領地だとか……いったいどれだけ荒れているんでしょうか……
朝出発して夕方宿に着きました。今日はこのまま宿で休み、明日朝から領に向けて出発です
宿を出て1時間ほどで領の端の方に着きましたが……熱帯雨林系だと思っていたら、荒野系でしたか。
なるほど……まぁ品種改良で水があまり無くても育つようにしましょう。
荒野が広がっているので、何でも育て放題ではありますけど……人手が無いんですよね。
街とか無いし、実は領民もいないんですよね……枯れ果てていますもんね~。
地下水脈でもあれば、オズワルド様の魔力で湖が出来るんですけどね~、今度見て欲しいな……とりあえずダメ元でお手紙書いてみましょう!
あと何処かにいい人材がいないかな~?




