新たな希望
「ちょっと、ベラ来て!早く来て!」
珍しくハンナが慌てた声で私を呼んでいます。いったい何があったのでしょうか?
急いでハンナの声がする方へ向かいます。
「ちょ、ちょ、ちょっとこれ見て!これー!」
差し出されたハンナの手の中を見てビックリです!
なんとキューピーの女の子バージョンが、ハンナよりもさらに赤い髪を指先でいじりながらハンナの掌に腰かけています!
か、可愛いです!
「きゃー可愛い!ちょっとキューピー見てみて!可愛い女の子がいるよ!あなたのお友達?」
キューピーが寝ぼけ眼で出てきて、女の子キューピーを見て固まりました。どうしたんでしょうか?
「ちょっとそこのあなた、可愛いなんて子供じゃあるまいし失礼だわ!」
ああ、ぷりぷり怒ってそっぽ向きつつもほっぺもお耳も真っ赤で可愛すぎます!ツンデレキューピー最高です!
「ねえねえキューピー、あの可愛い子知ってる子?」
「いや、知らないし。て言うか俺他の妖精見たこと無いし」
おやおや、キューピーちゃん顔が赤いですよ。一目惚れですか?思わずニヤニヤが止まりません。
「ちょっと、ベラこの子何なの?何で私の手に座ってるの?って言うかベラの肩にも座ってる!何なのこれ!?」
ああそうでした、ツンデレキューピーちゃんに夢中でハンナの存在を忘れていましたね。すごいパニックです。
「ちょっとあなた、これって何よ!失礼だわ!
私もそっちの子も見ての通り妖精よ!
昨日のあなたの炎が気持ちよかったから、仲良くしてあげてもいいわよ。
名前付けたければ付けてもいいわよ」
ツンデレ過ぎる!はう、何この可愛い生き物は!
ああ、あの真っ赤なほっぺをツンツンしたい!
「ちょ、ちょ、ちょ、ベラ!妖精って言った?この子今、妖精って言ったの!?
伝説の存在じゃなかったの!?って言うかベラは妖精知ってたの?」
「ハンナ落ち付いて。私の肩にいる子はキューピーよ。
昔お醤油を作りたくて悩んでいた時に、どこからともなく現れて名前を付けてあげたの。
それからずっと私が何か困っている時、色々アイデアを出してくれてとても頼れる存在よ。
そう言えば昨日あなたが出した炎の中で踊っていたのはその子だったのね。
私もキューピー以外の子を見るのは初めてよ。
ある程度魔力が高くないと見えないみたい。結構私の回りをキューピーはちょろちょろしてたんだけど、見えたこと無かったでしょう?
急に見えるようになったのはどうしてかしら?
やっぱり昨日怒りでリミッターが外れたのかしら?凄い炎だったものね。
それにしても……ああ、本当可愛いわ。
ねえ早く名前付けてあげてよ。仲良くなりたいわ」
「え?リミッター?……昨日は自分でもよくわからないんだけど、まるで自分じゃないみたいに魔力が使えて……私にあんなことが出来るなんて……今も何だか力が全身を包んでると言うか……何だか不思議な気分なの」
「ちょっと!そんなことどうでもいいから早く名前付けてよ!」
ああ、ツンデレキューピーちゃんが小さなお手てでペシペシハンナの顔を叩いています。全く痛くも痒くも無さそうなのがまた可愛い!
「え?あ……そうだったわね?私が付けてもいいのかしら?」
ああ、効果が無かったからか今度はハンナの髪の毛を引っ張りだしました。やることがいちいち可愛いです!悶絶です。
「きゃぁ、ごめんなさい。分かったから、すぐ名前つけるからやめて。髪の毛引っ張らないでー!
えっと、そうねアマリリス!アマリリスでどうかしら?」




