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明日の君に音楽を  作者: カオス
一小節目
5/12

四拍目

 自室の隅には、七本掛けのギタースタンド。そこは既に何種類ものエレキギターが立て掛けられている。


 その中でも特にお気に入りな一本を僕は手に持った。


「よしっ、やるか」


 一つ息を落とすと、僕はその焦げ茶に統一されたエレキギターの調整を始める。


 元々は朝などは起きれない方だったのだが、ギターを始めてから調整のために早起きになってしまっていた。


 スマホのチューニングアプリを起動し、チタン製の弦を一番太い6弦から順に鳴らしていく。


 基本的にギターと呼ばれるモノには大きく分けて二種類ある。


 一種類目は、音量を増幅させる機械。一般的にアンプと呼ばれる機械などを使わずに演奏することが目的のアコースティックギター。


 二種類目は、今僕が手にしているような、アンプなどを使用して演奏するエレキギターと呼ばれるモノ。


 他にも其々、クラシックギターやフルアコなど色々あるが、大まかには二種類である。


「さて、まずは適当に弾きますか」


 ついでに僕が組んでいるバンドの説明もしよう。


 バンドとは主に3人~5人程が役割を決めて音楽を演奏する。


 その役割としては、メロディを奏でるギター、リズム隊のドラムとベース。そして歌詞を紡ぐボーカルなどである。


 その構成にもキーボードが入る編成やボーカルがギターも兼用するなど多種多様だ。


 僕のバンドは一般的な四人編成で、僕はリードギターを任されている。


 この年にしては余り聞かないであろう洋楽のフレーズを弾く。


 60年代の定番フレーズを弾き終える頃には時刻は7時を回っていた。


 1限目は9時20分からなので、8時半に出れば問題ない。


 まだ一時間くらいは余裕があるだろう。


「準備運動は終わり。次は曲合わせ~」


 スマホにイヤホンを挿し込み、耳に押し込む。

 以前に自分たちで作成した曲を流しながら指を動かす。


 バラードチックな曲では感情を穏やかに、ロック調な曲では荒々しくかつ繊細に。


「ぁっ、やばっ」


 そうこう練習している内に、時刻は8時を回り、僕は急いで学校の支度に取りかかった。


「───あの子、来てるかな……?」


 無意識にポツリとこぼしたその言葉が僕の本心なのかはわからなかった。



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